情報調査部

広報セミナー(開催レポート) 広報セミナーとは

2011年 新任広報マン夏期講座

日 時: 2011年7月1日(木)〜7月28日(木)(計5回)
会 場: 第1〜3、5週 日本記者クラブ 大会議室
第4週 ISビル・1F「プレゼンルーム」

毎年恒例の夏の集中講座「新任広報マン夏期講座」を7月1日から毎週1回(全5回)開催しました。

今年は25人の企業、団体、大学、自治体の新任広報担当者の方々にご参加いただき、広報の基礎から危機管理まで幅広い講師陣から講義を受け、心構えや実務など多岐にわたる広報の基礎を学んでいただきました。

講座1回目(7月1日)「広報活動キーポイント」

エフシージー総合研究所・広報アドバイザー 山本ヒロ子 エフシージー総合研究所
広報アドバイザー 山本ヒロ子

第1週目は、広報のフレームワークについて広報アドバイザー、企業の広報責任者、マスコミから学んでいただくプログラムです。

エフシージー総合研究所・広報アドバイザーの山本ヒロ子は、広報活動には攻め(ポジティブ)と受け身の2つに分けた広報があり、どちらも積極的に情報発信すること、マスコミの背景に一般生活者がいることなどについて、さまざまな事例を挙げながら紹介しました。マスコミ対応のポイントから戦略的な広報の展開方法まで、マスコミを活用することで、「広報は流れを変える」ことができるとも述べました。

帝人(株)広報・IR室長 宇佐美吉人氏 帝人 広報・IR室長
宇佐美吉人氏

帝人(株)広報・IR室長の宇佐美吉人氏は、帝人グループにおける広報活動について説明していただきました。広報・IR室が担う「TEIJIN」ブランドの価値向上のための「メディア露出拡大」「情報発信力強化」「グループ広報力強化」の具体的活動について、国内外でのPR活動の展開から、実績、効果測定までをご紹介いただきました。最後に、広報パーソンに適している要素をいくつか挙げ、受講者である新任広報マンにエールを送りました。

産経新聞経済本部長 谷口正晃氏 産経新聞経済本部長
谷口正晃氏

産経新聞経済本部長の谷口正晃氏は、産経新聞編集局の構成から経済本部が担当する官公庁、民間の記者クラブの体制について紹介しました。さらにこうした官庁、民間をはじめ、紙面編集、WEB編集 各記者の1日(24時間)の動きを紹介。そんな記者の行動の中で、いかにアプローチするかについてアドバイスがありました。ひとつの新製品紹介でも、発表の仕方次第で多メディアに掲載されるヒントや記者へのアプローチのノウハウも披露。新聞記者には積極的に連絡し、信頼関係を築いてほしいと結びました。


講義終了後、懇親会が開催されました。これから全5回、講義を受ける受講者同士、また講師の皆さんとの名刺交換、情報交換が活発に行われました。

講座2回目(7月7日)「緊急時の広報活動」

産経新聞社会部長 近藤豊和氏 産経新聞社会部長
近藤豊和氏

第2週目は、事件・事故・不祥事など、緊急時の広報対応について学ぶプログラムです。

産経新聞社会部長の近藤豊和氏には、「マスコミから見た危機管理」をテーマに、3月11日の震災以降、社会部記者がどう動き、取材したかを紹介していただきました。さらに東京電力福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故による政府、原子力安全・保安院、東電での記者会見の内容を取り上げ、記者会見で言ってはいけないことをレクチャー。危機対応における最大のポイントは、企業総合力であり、トップマネジメントが大きく影響すると強調しました。

小田急電鉄CSR・広報部課長 藤田謙氏 小田急電鉄CSR・広報部課長
藤田謙氏

小田急電鉄(株)CSR・広報部課長の藤田謙氏には、東日本大震災発生当日から計画停電における広報対応について、時系列で広報担当者がどのような対応をしてきたかについて説明していただきました。3月11日の地震発生後、余震が続く中での各列車の安全確認を鉄道部門との細かく協議するとともに、適宜プレスリリースを発信してきたことなどを紹介していただきました。計画停電が実施されたとき、東電からの情報が錯綜する中、東電から受電している変電所の確認、さらに乗客への説明など、地震発生日以上に困難を極めた状況を乗り切った苦労話を披露していただきました。

くわえて、停電エリアとグループ分けによる時間変更によりダイヤを毎日編成し、順次広報をしていく中で、乗客に分かりやすく告知するため、ホームページの表示の仕方について、工夫を重ねたことも紹介していただきました。

震災に伴う一連の対応では、刻一刻と変化する状況の中、正しい情報を伝えようとするあまり、時間を要したり表現が分かりにくい内容になったりしていたと、大震災・計画停電での広報対応の検証で締めくくりました。

千葉商科大学教授 藤江俊彦氏 千葉商科大学教授
藤江俊彦氏

千葉商科大学教授の藤江俊彦氏には、まず「災害時、基幹業務の継続を可能にし、中断したとき、目標時間内に再開するためのマネジメント」を意味するBCM(ビジネス・コンティニュイティ・マネジメント=緊急時の事業継続管理)が、なぜ必要なのかを説明していただきました。続いて、BCMによって成功した企業のポイントを紹介していただき、事業継続計画(BCP)を策定するうえで留意すべき6つのポイントも紹介していただきました。

講座3回目(7月15日)「社内広報の充実」

広報コンサルタント 青柳栄一氏 広報コンサルタント
青柳栄一氏

第3週目は社内広報活動について、企業の具体的事例を学ぶプログラムです。

広報コンサルタントの青柳栄一氏には、社外、社内広報の役割、広報と宣伝の違いを説明していただきました。広報の役割は「情報の受発信基地」で、具体的には①企業の理念を広く知ってもらうための「広める」②世相をつくるトレンドを「創る」③情報のデータベース化、人脈づくりの「溜める」④イメージダウン防止の「止める」—の4つの機能があると解説。そのうえで、これらの機能はモラルを高めることも担っているとし、社内コミュニケーションを充実させ、スムーズかつスピーディーにトップへ連絡し、社内報などのツールを活用し社内の風通しをよくしてほしいと強調しました。

続いて「わが社の社内報」をテーマにパネルディスカッションを行いました。パネリストは、凸版印刷広報部社内広報チームの池田文恵氏、明治ホールディングスIR広報グループの根岸紀子氏、ヤマト運輸CSR推進部広報課の大島那奈子氏の3人。それぞれの社内広報の具体的活動や社内報の編集方針、体制、震災特集号の内容、イントラなど他媒体の紹介、日ごろの悩み、今後の課題点などについて述べていただきました。

また、参加者からは「社内での情報収集の方法は」、「取材のやり方は」などといった質問が出て、パネリストはこれまでの経験を基に、アドバイスや回答をしました。

(パネリスト)

凸版印刷広報部社内広報チーム 池田文恵氏 凸版印刷広報部
社内広報担当課長 池田文恵氏
明治ホールディングスIR広報グループ 根岸紀子氏 明治ホールディングス
IR広報グループ 根岸紀子氏

ヤマト運輸CSR推進部広報課 大島那奈子氏 ヤマト運輸CSR推進部広報課
大島那奈子氏

講座4回目(7月22日)「何がニュースになるか!」

第4週目は、ニュースリリースの作成とマスコミから見たニュースの切り口について学ぶプログラムです。

はじめに、エフシージー総合研究所・暮らしの科学部(通称:フジテレビ商品研究所)を見学しました。参加者は、美容科学研究室、環境科学研究室、商品研究室、食品料理研究室のそれぞれの研究者から業務内容について説明を受けました。

フジテレビ商品研究所を見学
フジテレビ商品研究所を見学

広報紙アドバイザーの芝沼隆一氏は、何を目的にニュースリリースを発行するのかについて説明していただき、大事な要素である「見出し」について解説していただきました。さらに東京電力のニュースリリースを題材に、良い見出し、悪い見出しを挙げ、緊急時におけるリリースの条件を紹介していただきました。そして、分かりやすい文章の書き方を伝えてから、受講者に見出しをつけたり、講座のメンバー同士で取材の原稿を書いたりするなど実習を行いました。

広報紙アドバイザー 芝沼隆一氏
広報紙アドバイザー
芝沼隆一氏
「ニュースリリースの書き方、見出しのつけ方」実習
「ニュースリリースの書き方、見出しのつけ方」実習
産経新聞論説委員 井伊重之氏 産経新聞論説委員
井伊重之氏

産経新聞論説委員の井伊重之氏のテーマは、「記者が求めるニュースとは」。広報の目的を説明した後、ニュース素材は切り口で勝負してほしいと説明がありました。ニュースの「旬」を的確に捉えて発信することも大事なこととし、新聞の県版の地域ニュースの活用、トップインタビューの効用、プレスリリースの送り方、オフレコ取材の取り扱いなど、新任広報マンにとって実践的な話を次々に披露してもらいました。

講座5回目(7月28日)「テレビ報道と広報」

ファンケル社長室広報グループマネージャー 中村太郎氏 ファンケル社長室広報
グループマネージャー
中村太郎氏

第5週目は、テレビへのアプローチについて学ぶプログラムです。

ファンケル社長室広報グループマネージャーの中村太郎氏には、「仕掛ける広報」をテーマに、その際のニーズ、時期、タイミング、対応について、実施したイベントや新商品発表会などを例に挙げて説明していただきました。それを踏まえ、テレビに取り上げてもらうためには、様々な視点・角度から取材されるような仕掛けや切り口を用意しておくことが重要と強調。メディアからの依頼に対し、広報が一つひとつ真摯な対応をしてきたことによって、その後の連鎖(取材や記事掲載)を生んだことを最後の言葉として締めくくりました。

フジテレビ経営企画局担当部長 時澤正氏 フジテレビ経営企画局担当部長
時澤正氏

フジテレビ経営企画局担当部長の時澤正氏には、報道と情報番組の違いをフジテレビの情報番組「めざましテレビ」や「とくダネ!」を例に説明していただきました。続けてそれぞれどのように作られているのかを説明した後、「プロデューサーとディレクターの違い」や「取材はどのような方法で行うのか」などを紹介。「テレビへのニュースリリースは、新聞とは違った内容(見出し)で作って発信してほしい」と語りました。

フジテレビ報道局解説委員 安倍宏行氏 フジテレビ報道局解説委員
安倍宏行氏

フジテレビ報道局解説委員の安倍宏行氏は、現在のメディアの位置づけを説明した中で、東日本大震災が起きて以降、新聞、テレビ、雑誌といったメディアから、ツイッター、フェイスブック、SNS、ブログといったソーシャルウェブ(SW)の社会的影響力が大きくなっていると解説しました。特に、ツイッターの公式アカウントによる発信が広報担当者の課題になってきていると強調しました。最後に、テレビ局へのアプローチは、①ターゲットを絞る②生活情報に絡める③宣伝色を薄める④データを提供する—といったポイントを挙げ、プレスリリースの留意点や会見の設定などについてアドバイスがありました。

最終回の講義終了後、懇親会を開きました。参加者からは、「あっと言う間の1カ月だった。すべて充実した講義内容で良かった」とか「現職のマスコミの人と直接、話が聞ける機会は貴重だった」などの声が聞かれました。

節目となる10年目を終え、来年7月も「新任広報マン夏期講座」を開催する予定です。今年同様に、より良い講座を企画してまいります。

2011年 新任広報マン夏期講座 懇親会の様子
2011年 新任広報マン夏期講座 懇親会の様子

——以下、参考用に今回のセミナーの御案内を掲載しています——

フジサンケイグループの一員であるエフシージー総合研究所は、新たに広報部門に配属された方を対象に、5週連続の「新任広報マン夏期講座」を開催いたします。

この講座は広報の基本から、マスコミへの情報発信、社内広報活動、危機管理対応、テレビメディアと広報などをテーマに、広報業務の基礎を体系的に学べるプログラムです。

講師陣は経験豊かな現役広報担当者をはじめ、産経新聞、フジテレビの編集・報道責任者、コンサルタントなど多彩なメンバーです。

今回は特に、各プログラムに東日本大震災に関わる危機対応や事業継続計画なども盛り込んでおります。新人はもちろん、広報業務を改めて見直したいと考えられている担当者にもお勧めいたします。30人(先着順)の少人数制クラスで、初回と最終回には懇親会を開いて講師陣とご参加の皆さまとの情報交換、広報担当者同士のネットワークづくりをお手伝いいたします。

ぜひ、ご参加くださいますようご案内申し上げます。

テーマ 2011年 新任広報マン夏期講座
日 時 第1週 7月 1日(金) 13:00〜18:00 「広報活動キーポイント」(懇親会付き)
第2週 7月 7日(木) 13:00〜17:00 「緊急時の広報活動〜東日本大震災を振り返って」
第3週 7月15日(金) 13:00〜17:00 「社内報の充実」
第4週 7月22日(金) 13:00〜17:00 「何がニュースになるか!」
第5週 7月28日(木) 13:00〜18:30 「テレビ報道と広報」(懇親会付き)
会 場 第1〜3、5週:日本記者クラブ9F 大会議室 map
千代田区内幸町2-2-1 日本プレスセンタービル

Tel.03-3503-2721(代表)
第4週:天王洲アイル フジテレビ別館(ISビル)map
品川区東品川3-32-42
参加費 一般=98,000円
フジサンケイ広報フォーラム会員=85,000円
(ともに税込み)
定 員 30人

プログラム

【7月1日(金)】第1週「広報活動キーポイント」
広報のフレームワークについて、広報アドバイザー、企業の広報マン、マスコミから学ぶプログラム
会場:日本記者クラブ9F(大会議室)
13:10
〜14:10
マスコミを活用しよう—広報が流れを変える
【講 師】
エフシージー総合研究所広報アドバイザー 山本 ヒロ子
14:10
〜15:30
わが社の広報活動
【講 師】
帝人(株)広報・IR室長兼広報部長 宇佐美 吉人 氏
15:45
〜17:00
マスコミから見た企業広報
【講 師】
産経新聞経済本部長 谷口 正晃 氏
17:00
〜18:00
名刺交換を兼ねた懇親会

【7月7日(木)】第2週「緊急時の広報活動〜東日本大震災を振り返って」
事件・事故・不祥事など、緊急時の広報対応について学ぶプログラム
会場:日本記者クラブ9F(大会議室)
13:00
〜14:15
マスコミから見た危機管理—事件・事故、大震災を取材して
【講 師】
産経新聞編集局次長兼社会部長 近藤 豊和 氏
14:15
〜15:30
危機が発生、そのとき広報担当者は
【講 師】
小田急電鉄(株)CSR・広報部課長 藤田 謙 氏
15:45
〜17:00
緊急時における事業継続計画(BCP)
【講 師】
千葉商科大学・大学院 教授 藤江 俊彦 氏

【7月15日(金)】第3週「社内広報の充実」
社内広報について、企業の具体的な事例を学ぶプログラム
会場:日本記者クラブ9F(大会議室)
13:00
〜14:30
社内広報の重要性
【講 師】
広報コンサルタント兼危機管理アドバイザー 青柳 栄一 氏
14:45
〜17:00
社内報編集担当者によるパネルディスカッション 「わが社の社内報」
【パネリスト】
凸版印刷(株)広報本部 広報部 社内広報チーム課長 池田 文恵 氏
明治ホールディングス(株)IR広報部 IR広報グループ 根岸 紀子 氏
ヤマト運輸(株)CSR推進部広報課 大島 那奈子 氏

【7月22日(金)】第4週「何がニュースになるか!」
ニュースリリースの作成と企業の事例を学ぶプログラム、フジテレビ商品研究所見学会
会場:フジテレビ別館(ISビル)
13:00
〜13:30
フジテレビ商品研究所 (食品料理研究室、美容科学研究室など) 見学会
13:30
〜15:30
ニュースリリースの書き方、見出しのつけ方
【講 師】
広報紙アドバイザー 芝沼 隆一 氏
15:45
〜17:00
記者が求めるニュースとは
【講 師】
産経新聞論説委員 井伊 重之 氏

【7月28日(木)】第5週「テレビ報道と広報」
テレビへのアプローチについて学ぶプログラム
会場:日本記者クラブ9F(大会議室)
13:00
〜14:10
効果的なテレビへのアプローチ
【講 師】
(株)ファンケル 社長室広報グループマネージャー 中村 太郎 氏
14:15
〜15:30
番組ができるまで
【講 師】
フジテレビ 経営企画局放送事業推進室デスク担当部長 時澤 正 氏
15:45
〜17:00
報道番組と企業広報
【講 師】
フジテレビ 報道局取材センター解説委員 安倍 宏行 氏
17:00
〜18:00
懇親会

お申込み受付中のセミナー

広報セミナーとは

当研究所では、広報活動に関するさまざまなセミナーを開催しています。セミナーのテーマは、危機管理からニュースリリースづくりなど、幅広く展開。主なものに「事件と広報」「製品回収事件と広報」「インターネットのリスク管理」「新任広報マン夏期講座」「何がニュースになるか」「戦力としての広報ウーマン」「読まれる社内報づくり講座」などがあります。
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