情報調査部

フジサンケイ広報フォーラム

広報セミナー(開催レポート)

社会部遊軍の仕事と企業取材

日 時: 2015年10月16日(金)16:00〜18:00
会 場: 日本記者クラブ・宴会場
講 師: 産経新聞東京本社編集局社会部遊軍長 豊吉広英氏

フジサンケイ広報フォーラム10月・月例会は、産経新聞東京本社編集局社会部遊軍長の豊吉広英氏を講師にお迎えし、社会部遊軍の活動や不祥事に際しての"良い会見"と"悪い会見"ついて解説いただきました。

講演要旨


新聞社の編集局の中で、政治部や経済部の仕事内容はイメージしやすいと思います。これに対して社会部は、一口に説明しづらい部署です。編集局内の何でも屋という位置づけで、事件・事故・災害などがあればすぐに現場に飛んでいき、企業や政治家などにも必要に応じて話を聞くことになります。

通常、各部の記者は、官や民の記者クラブに所属し、そこを根城にしています。社会部遊軍記者は、クラブには所属せず、クラブ担当の枠外にある事物をカバーしたり、人手が足りないクラブへのサポートを行ったりしています。このほか、調査・企画ものや投書やタレこみの対応もしています。記憶に新しい新幹線内での放火焼身自殺事件も警視庁担当とともに遊軍が対応しました。

遊軍記者に求められる資質は、フットワークの軽さです。産経新聞東京本社の遊軍の構成は、①入社後に地方支局で基礎を叩き込まれた若手、②支局勤務ののち警視庁や東京地検などを担当し、社会面の中核をなす事件も経験した取材盛りの記者、③事件記者なども経験し、2度目の総支局勤務を経験してきた中堅記者などで構成されています。

事件・事故が発生した際に行われる会見現場にも遊軍記者は臨場します。このとき、どんな記者が出向くかで会見の進み方も変わります。ハードな取材現場をくぐり抜けてきてまもない②の記者が多い場合、それまで厳しい環境で戦ってきた余韻を残しつつ、会見でのさまざまな攻め方も分かった上で会見に臨むので、突っ込みもおのずと厳しいものになります。

不祥事会見などについて、「良い会見」と「悪い会見」の違いを聞かれることが多い。会見の目的がなんであるかがはっきりしていて、謝罪、調査結果、再発防止策、処分などの方針が明確に準備できているのが「良い会見」といえる。反対に何も具体的に話さず、何のための開いたのかわからない会見は、記者をいらだたせ、"炎上"することが多いです。

「悪い会見」には①謝らない、非を認めない(業界論理を優先)②事態を把握しきれないまま会見をしてしまう③感情的になってしまう④いくつかの問題が複合している−などのパターンがある。いずれも、結果的に会社に不利益を与えることになります。会社にとって、不祥事会見の最大の目的は会社と社員を守ること。そこを考えた会見にしなければならないと思います。

最近の会見には、新聞、テレビ、通信社以外にも、ネット系のニュース記者が出席し、会見をそのままネット上に流すことも多い。会見がこれまでのように、取材の玄人だけが出席するクローズなものではなくなり、"市民記者"参加型のオープンなものになっています。それは、会見を見る目が増えているということ。会見では、その辺も十分意識して想定問答を用意しておくとよいでしょう。

社会部記者は、常に「川の下流」の取材をしています。消費者や一般市民に一番近い目線で物事を見ていて、事件・事故では「被害者」の立場に立って取材をしています。彼らから取材を受けた場合には、そういうポジションで取材していることを意識する必要があります。

テーマ/講師
  • 社会部遊軍の仕事と企業取材
  • 産経新聞東京本社編集局社会部遊軍長 豊吉広英氏
日 時 2015年10月16日(金)
16:00〜18:00(講演)
会 場 日本記者クラブ 宴会場 map
(千代田区内幸町2-2-1 日本プレスセンタービル9F)
Tel.03−3503−2721

月例会とは

会員制情報サービス組織「フジサンケイ広報フォーラム」が毎月開催する「勉強会」です。広報担当者にすぐに役立つ情報提供を目的にしたものです。勉強会のテーマは、事件・事故、特殊ジャーナリズム、内部告発などへの対応といった危機管理やIRなど。時には企業見学会なども実施します。
月例会には、会員各社から何名でもご参加いただけます。また、テーマによっては関連部門(宣伝部や法務部など)の方のご参加も可能です。
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