情報調査部

フジサンケイ広報フォーラム

広報セミナー(開催レポート)

近畿大学の広報戦略

日 時: 2015年7月15日(水)16:00〜18:00
会 場: 日本記者クラブ・宴会場
講 師: 学校法人近畿大学広報部長 世耕石弘氏

フジサンケイ広報フォーラム7月の月例会は、学校法人近畿大学広報部長の世耕石弘氏を講師にお招きし、大学と民間企業での広報の違いや2年連続で大学志願者数日本一を達成した広報戦略についてお話しいただきました。

講演要旨


最近、企業の方々から、我々の行っている広報・マーケティング戦略を話してもらいたいというお声をよくいただきます。大学というお堅い教育機関なのに、なぜ話題を生むような広告やキャンペーンなどが可能なのかを疑問に思われる方も多いようです。

鉄道会社で広報マンなどの経験を積んだのちに、近畿大学に奉職しました。大学の方々からには、民間企業と違って金儲け主義ではいけないなどと言われたこともあります。また、教職員が大学は民間企業より格上という認識を持っていることも感じました。

大学も、教育というサービスを社会に提供し、一定の利益を得て、存立しています。企業と何ら変わりがないのです。業務を進めるにあたり、周囲の大学が特別だという固定概念をまずは取り去ることに注力しました。我々の建学の精神は、「実学教育」にあります。それまでにない独創的な研究に挑み、その成果を社会に還元し、収益を上げることなのです。このプロセスを繰り返すことで、大学としての独立を保ち、社会の重要な機構として生き残ることが可能となるのです。

関西の一地方大学である近大が全国区となったのは、マグロで一発当てたからだなどといわれることがあります。しか、誰も見向きもしなかった魚の養殖の研究に70年近くの歳月をかけているわけです。今ではマグロやシマアジなど18種類の魚の養殖を世界で初めてで成功させていて、日本に流通しているマダイなどは、ほとんどが近大の養殖技術で生まれたものなのです。地道な研究が、今日花開いたわけなのです。

我々のDNAの中には、大学創設者の既存の概念をぶち壊し、新たにものを生むという精神が息づいています。今日の大学の位置づけを偏差値のみでの序列で論ずることにも違和感を覚えています。関西の大学は「入れ替え戦のないリーグ戦」のようなもので、京大・阪大・神大をトップに"関関同立"、"産近甲龍"と序列が固定化されていますが、真の大学の価値を知ってもらうために、そうした一方的な固定概念をひっくり返すためにも、広報活動に注力しています。

大学の顧客ターゲットである18歳人口は、2018年から一気に減ります。他の産業のように、では別の年代層を狙うという風にはいきませんので、多くの大学がどんどんつぶれることも予想されます。そうした中で、「実学教育の近畿大学」を社会に認知させ、他大学との差別化を図るコミュニケーション戦略をとっています。そのために斬新な話題を提供する、広報ファーストの姿勢で活動を展開しています。入学式のイベント化や教科書購入でのアマゾンとの提携、日本初の大学直営の料理店など、多くの人の耳目に触れてもらうことで、近大の真の姿を正しく評価してもらいたいと考えています。

テーマ/講師
  • 近畿大学の広報戦略
  • 学校法人近畿大学広報部長 世耕石弘氏
日 時 2015年7月15日(水)
16:00〜18:00(講演)
会 場 日本記者クラブ 宴会場 map
(千代田区内幸町2-2-1 日本プレスセンタービル9F)
Tel.03−3503−2721

月例会とは

会員制情報サービス組織「フジサンケイ広報フォーラム」が毎月開催する「勉強会」です。広報担当者にすぐに役立つ情報提供を目的にしたものです。勉強会のテーマは、事件・事故、特殊ジャーナリズム、内部告発などへの対応といった危機管理やIRなど。時には企業見学会なども実施します。
月例会には、会員各社から何名でもご参加いただけます。また、テーマによっては関連部門(宣伝部や法務部など)の方のご参加も可能です。
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