情報調査部

フジサンケイ広報フォーラム

広報セミナー(開催レポート)

事件記者とスクープ取材

日 時: 2014年7月14日(月)15:00〜17:00
会 場: 日本記者クラブ 9F−宴会場
講 師: ジャーナリスト(元産経新聞編集局長) 阿部 雅美 氏

フジサンケイ広報フォーラム7月の月例会は、元産経新聞編集局長で、ジャーナリストの阿部雅美氏(写真)を講師にお招きしました。事件記者として地道な調査を行い、北朝鮮による日本人拉致事件など、数々の事案をスクープした経験をお持ちです。講演では、事件記者の特質やいわゆる不祥事ネタを手に入れてくる情報収集術について、具体例を交えてお話しいただきました。

講演要旨


ジャーナリスト(元産経新聞編集局長) 阿部雅美氏 ジャーナリスト(元産経新聞編集局長) 阿部雅美氏

取材記者は、先入観を持たず、事実を積み重ねることが重要であると考えています。取材分野の専門家である必要はなく、その分野に詳しい人物とコンタクトできる関係を築きあげていることが重要なのです。

企業の不祥事も数多く取材してきましたが、これは、どんな組織にも起こりえます。重要なのはその不祥事が、個人によるものか、経営陣の問題か、経営の根幹に関わる問題なのかといった具合に、事案のマグニチュードを把握することです。次に大事なのは、スピーディーに対応し、個別対応ではなく会見をきちんと開き、説明すること。嘘は絶対にダメで、場合によっては、公表していない事案も積極的に開示したり、第三者委員会を立ち上げたりすることも、企業の好感度を高める一助となると思います。

最近では、内部告発によって不祥事が暴かれることがあります。役員会でのこの場限りの話が、翌日には、一般社員が知っているという笑えない話もあるほどです。会社内での話は、不特定多数の人々が歩いている大通りでの会話だと考えるべきでしょう。どんなに保秘に努めても、優秀な記者が、その糸口を掴んだら、記事になる可能性が高いと覚悟しておくべきです。かつて、内部告発として投げ込まれた、たった一枚の社内文書から、ある自動車メーカーの不祥事を暴き、社長を退任に追い込んだこともありました。

新聞記者にとって、無償の功名心は欠かせないものだと思います。これを具現化したものが、スクープ記事であって、スクープを狙わない記者は記者ではないと思います。一口にスクープといっても、当局者から聞いて記事にするものと、地道に調査を行い、事実を積み重ねて確度の高い推論を導き出すものがある。北朝鮮による拉致事件の報道は、後者の典型例と言えます。この時には、日本海の方で「変なこと」が起きていると聞き、変なことの中身も分からない中で、一人で調査を開始したものです。

各マスコミとのリレーションを強化している企業も多いいようですが、これで都合の悪い記事を差し止められると考えてはいけません。事件記者はそんなことで、事実を曲げることはしませんから。ただ、いい関係を築けば、広く社会を見ている記者から会社のイメージを上げるためのヒントをもらえることもあります。私自身、親しい広報担当者に何度も、アドバイスをしたことがあります。記者とはつかず離れずの程良い関係がベストなのだと思います。

——以下、参考用に今回の月例会の御案内を掲載しています——

平素は、エフシージー総合研究所の活動につき何かとご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

フジサンケイ広報フォーラム7月・月例会は、「事件記者とスクープ取材」と題して、刑事事件を追いかける社会部記者の実像やスクープを狙う取材方法について迫ります。講師は、ご自身が事件記者として北朝鮮による日本人拉致事件などをスクープした経験のある元産経新聞編集局長で、ジャーナリストの阿部雅美氏です。

事件、事故を含めて幅広い社会問題を取材する社会部記者の中にあって、主に刑事事件を追いかける記者は事件記者とも呼ばれています。警視庁の記者クラブや裁判所・検察庁を担当する司法記者クラブに席を置き、幹部捜査官や検察官への夜討ち朝駆けの取材を日々行っています。

講演では、そうした事件記者の特質やいわゆる不祥事ネタを手に入れてくる情報収集術について、日本のマスコミで初めて日本人拉致事件をスクープした例などを交えて解説いただきます。

事件の裏側にある真相を暴こうと奮闘する事件記者の実像をご紹介する数少ない機会ですので、関連部門にも声をおかけいただき、ご参加くださいますようご案内申し上げます。

テーマ/講師
  • 「事件記者とスクープ取材」
  • ジャーナリスト(元産経新聞編集局長) 阿部雅美氏
日 時 2014年7月14日(月)15:00〜17:00
会 場 日本記者クラブ 宴会場 map
(千代田区内幸町2-2-1 日本プレスセンタービル9F)
Tel.03−3503−2721

月例会とは

会員制情報サービス組織「フジサンケイ広報フォーラム」が毎月開催する「勉強会」です。広報担当者にすぐに役立つ情報提供を目的にしたものです。勉強会のテーマは、事件・事故、特殊ジャーナリズム、内部告発などへの対応といった危機管理やIRなど。時には企業見学会なども実施します。
月例会には、会員各社から何名でもご参加いただけます。また、テーマによっては関連部門(宣伝部や法務部など)の方のご参加も可能です。
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