情報調査部

フジサンケイ広報フォーラム

広報セミナー(開催レポート)

経済広報センター「第29回企業広報賞」
企業広報功労・奨励賞受賞者 講演

日 時: 2014年2月26日(水)15:00〜17:00
会 場: 日本記者クラブ 9F−宴会場
講 師: 東日本旅客鉄道(株) 広報部担当部長 薬師 晃 氏
SGホールディングス(株) 経営企画部広報ユニット シニアマネジャー
兼 佐川急便(株) 経営企画部広報課部長 山根 紀子 氏

2月月例会は、(財)経済広報センターの2013年度「企業広報功労・奨励賞」の受賞者による講演を行いました。この賞は、優秀な企業広報を実践し、その発展に大きな功績を残した広報担当者および広報担当部署に授与されるもので、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)の薬師晃(やくし・あきら)広報担当部長とSGホールディングス株式会社 経営企画部 広報・CSRユニットが受賞しました。

講演要旨


JR東日本 薬師晃氏 JR東日本 薬師晃氏

薬師晃 JR東日本広報担当部長 講演


企業の広報活動は、ファンを作り、良いイメージを発信し、会社と社員との一体感を作り上げるためのものです。ポジティブな情報発信などの「攻めの広報」と、トラブルが発生した場合の「守りの広報」をバランスよく行っていく必要があります。

攻めの広報では、①マスコミが伝えたいこと、②消費者が知りたいこと、③世の中で言われていることの3要素を盛り込んだコミュニケーションが重要になります。そのために、マスコミとの関係強化、他企業広報部門との情報交換やグループ内の関係者との情報共有が欠かせません。マスコミとの勉強会や情報公開、プレスイベントなどを通じてマスコミからの信頼を得るといったことも大切なことです。

一方で守りの広報では、平時から不測の事態を想定し、準備しておくことが大事です。広報は社内野党として、警鐘を鳴らすとともに、公式・非公式のラインで情報が入る体制を作っておくことが求められます。

マスコミを取り巻く環境も激変しています。インターネット時代の中で、新聞、雑誌、テレビといった既存の媒体に加え、SNSやブログを通じて一般の消費者が情報を発信できる仕組みが出来上がったからです。SNSの利用者は2009年時点で7100万人を突破しており、ツイッターの情報を元に質問されるケースも増えています。広報担当者には、そうした環境を踏まえて、一層の柔軟な対応が必要となってきました。

最後に不祥事会見での要諦は、「社長限界でしょ」と言われています。すなわち、謝(しゃ)罪、調(ちょう)査結果、原(げん)因分析、改(かい)善策、処(しょ)分の公表です。これらを行うには、若干の時間がかかることでしょう。しかし、人は起こした事に対して非難されるけれども、その後の対応をまちがえると、さらに非難されることになると思います。本日は、ご清聴、誠にありがとうございました。

話題になった「佐川男子」の写真集 話題になった「佐川男子」の写真集

山根 紀子 SGホールディングス(株)経営企画部広報ユニット シニアマネジャー 兼 佐川急便(株) 経営企画部 広報課部長 講演


弊社は、1957年に京都〜大阪間の運送事業からスタートしました。以来、「飛脚の精神(こころ)」を受け継ぎながら、お預かりした大切な荷物を「お客様の心とともに」真心を込めてお届けしてまいりました。この精神を具現化したのが、セールスドライバーたちなのです。

1999年からホームページ上に個々のドライバーの心情や将来の夢などを掲載したページを開設、さらには雑誌等での積極的な広告展開も開始しました。ネット上で静かなブームとなり、ファンサイトができるほどになりました。

テレビタレントが、番組内で佐川のセールスドライバーの魅力を話し、彼らに好感を持つことを「佐川萌え」と呼んだことから、徐々にマスコミから注目を浴びるようになりました。これを機にセールスドライバーの「現場力」にスポットをあてたPR展開を開始しました。

「佐川萌え」とは、①「ブルーを基調とした縞シャツに身を包んだ筋肉質の男性が、街中を颯爽と駆け巡り、爽やかな笑顔と元気に挨拶する外的要素」と、②「新人研修で徹底した礼儀作法を習得し、創業から受け継がれるDNAともいうべき「飛脚の精神(こころ)」すなわち顧客第一主義を体現する内的要素」と定義づけ、PR広告のほか、一般取材を働きかけた結果、「佐川萌え」が本になり、「佐川男子」という写真集も出版され、大きな流れを生むことになりました。

これまでの広報活動によって、社内はもちろんのこと、社外に対して、改めて佐川の企業理念やメッセージを伝えることができたと考えています。「佐川男子」の波及効果で「佐川女子」も注目を浴び、女性の活躍という時代の要請に沿う結果を生みつつあります。今後も企業理念をコアとした広報活動を展開してまいりたいと存じます。

——以下、参考用に今回の月例会の御案内を掲載しています——s

平素は、エフシージー総合研究所の活動に格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。厚くお礼申し上げます。

さて、フジサンケイ広報フォーラム2月・月例会は、昨年経済広報センター主催の「第29回企業広報賞」で企業広報功労・奨励賞を受賞された東日本旅客鉄道(株)広報部担当部長の薬師晃氏とSGホールディングス(株)経営企画部広報ユニット シニアマネジャーの山根紀子氏のお二人を講師に迎えて開催します。

薬師氏は、国鉄、東日本旅客鉄道を通じて20年以上にわたり、広報に携わってこられました。メディアからは、平時のみならず緊急時においても真摯な対応姿勢が評価されています。また、各支社で広報研修を行うなど広報担当者の育成にも取り組み、JR東日本グループ全体の広報のレベルアップに貢献されています。

山根氏は、SGホールディングスにおいて、宣伝や人事部門とも連携し、ドライバーの現場力を訴求する戦略的広報を展開し、社内全体のモチベーションを高められました。2012年に取材協力のもと発行された写真集『佐川男子』は、多数のメディアにとりあげられ、業界全体イメージアップに貢献しました。

今回は、企業広報の発展に貢献したお二人が携わってきた広報活動を通じて、苦労話や成功体験などをご披露いただきます。

関係部門の方にも声をかけていただき、ご参加くださいますよう、ご案内申し上げます。

テーマ/講師
  • 「JR東日本の平時と緊急時の広報活動」
  • 東日本旅客鉄道(株) 広報部担当部長 薬師 晃 氏
  • 「現場力」を発揮させた佐川急便の広報戦略
  • SGホールディングス(株) 経営企画部広報ユニット シニアマネジャー
    兼 佐川急便(株) 経営企画部広報課部長 山根 紀子 氏
日 時 2014年2月26日(水)
15:00〜17:00
会 場 日本記者クラブ 宴会場 map
(千代田区内幸町2-2-1 日本プレスセンタービル9F)
Tel.03−3503−2721

月例会とは

会員制情報サービス組織「フジサンケイ広報フォーラム」が毎月開催する「勉強会」です。広報担当者にすぐに役立つ情報提供を目的にしたものです。勉強会のテーマは、事件・事故、特殊ジャーナリズム、内部告発などへの対応といった危機管理やIRなど。時には企業見学会なども実施します。
月例会には、会員各社から何名でもご参加いただけます。また、テーマによっては関連部門(宣伝部や法務部など)の方のご参加も可能です。
「フジサンケイ広報フォーラム」についての説明はこちら