情報調査部

フジサンケイ広報フォーラム

広報セミナー(開催レポート)

ソーシャルメディアを広報に生かすには

炎上を歓迎し、サービス改善のツールとして活用
日 時: 2013年2月20日(水)15:00〜17:00
会 場: 日本記者クラブ 9F−宴会場
講 師: 花王(株)デジタルコミュニケーションセンター企画室長 本間充 氏

フジサンケイ広報フォーラム2月の月例会は花王株式会社デジタルコミュニケーションセンター企画室長の本間充(ほんま・みつる)氏を講師に迎え、「ソーシャルメディア活用による広報戦略」と題し、自社のファンを増やしてビジネスの拡大につなげるコミュニケーション方法についてお話いただきました。企業のPRコーナーは、お休みしました。

講演要旨

本間充氏 本間充氏

SNSの活用法を中心に、ステルス・マーケティング、コーポーレート・コミュニケーション、さらには広報の課題について話したいと存じます。

2009年、米調査会社ニールセンが行った全世界の消費者調査によると、一番信頼する情報源は何かという質問に対して、90%の人が「知人」と回答しました(表1参照)。その次には、ネット上の口コミが上げられています(70%)。消費者の意思決定において、同じ消費者・生活者からの情報がいかに重要なのかを示していると思います。企業側からの一方的な広告・宣伝は、効果性の面で口コミに劣るということをこのリサーチ結果は暗示していると思います。

口コミに関連して、ステルス・マーケティングという手法が広がり、ネット上でブロガーやタレントを使った口コミ広告についての問題点が噴出しました。ステルス・マーケティングとは、厳密に言うと和製英語です。広告・宣伝であることを隠して、ブロガーなどが第三者の立場で商品を推奨する手法で、米国では、広告主との間で金銭的な授受があるかどうかを明示するよう求めています。日本でも、WOMマーケティング協議会がガイドラインを定め、消費者に口コミのマーケティング活動であることがわかるよう、広告主に求めています。

ネット空間の最初の入り口は、検索サイトです。消費者が、どんな言葉・単語を入力して検索しているのか、何を探しているのかを知ることは、マーケティング上大変重要です。広報の方が、ニュースリリースを発信する際にも、一般のニュースなどで使われている言葉をちりばめておくことが必要となります。国内の大手女性下着メーカーさんでは、自社サイトなど情報媒体では「下着」ではなく、「ランジェリー」という言葉を使っています。これも検索のキーワードとして「ランジェリー」が多用されているからです。

BtoCの企業を中心に公式のフェイスブックやツイッターを作るところが増えてきました。こうしたツールを上手く活用している企業の共通点は、情報の発信ではなく、訪れる人々の意見や批判を聞くという姿勢をとっている点です。炎上が怖いので、SNS導入をためらう担当者もいますが、炎上はめったに起こりません。むしろ、炎上や批判があったほうがよいのです。そうした声を更なるサービスの改善や商品開発に生かせるからです。SNSを開始して、一番問題になることは訪れる人がいないこと、関心をもたれないことです。通りいっぺんの同じメッセージではなく、個々の消費者それぞれに興味をもたれるようなメッセージやコンテンツが作れるかが鍵となります。

とはいえ、いきなりSNSをはじめるというのはお勧めできません。社員全員が、会社のブランドや商品・サービスに対して共通の価値観を持っていなければならないからです。それぞれがバラバラの意見を言ってしまうと、どれが本当のことなのか第三者にはわからず、信頼感を失うからです。まずは、社員だけがアクセスできる社内SNSを立ち上げて、人材を育成するとともに全員に訓練を施す必要があると思います。社内SNSは「yammer」、「chatter」などの無料ツールを利用すれば、簡単に導入できます。

いわゆる企業広報とは、一過性のキャンペーンではなく、長期間にわたり消費者をはじめとしたさまざまなステークホルダーの心に染み込ませるものだと思います。このときに重要なのが、自社がどんなDNA を持っていて、どんなブランドなのかについて、社員全員が共通の認識を持っている必要があるということです。

——以下、参考用に今回の月例会の御案内を掲載しています——

「フジサンケイ広報フォーラム」の2月の月例会は、公益社団法人日本アドバタイザーズ協会Web研究会代表幹事で、花王(株)デジタルコミュニケーションセンター企画室長の本間充氏を講師に招き、ソーシャルメディア活用によるコーポレート・コミュニケーションについてお話いただきます。

講師の本間氏は、花王の研究所勤務のかたわら、花王社内で最初のWebサーバーを立ち上げ、1999年にWeb専業の部署を設立しました。現在は、新しいWebのコミュニケーションの検討・提案や、海外への展開なども担当し、広く花王グループのWebのコミュニケーションに関わっています。講演では、具体的な事例を挙げて、ソーシャルメディア活用のポイントについてお話いただきます。

スケジュール調整のうえ、関係部署にもお声をかけていただき、参加くださいますようご案内申し上げます。

テーマ/講師
  • 『ソーシャルメディア活用による広報戦略』
  • 花王(株)デジタルコミュニケーションセンター企画室長 本間充氏
日 時 2013年2月20日(水)15:00〜17:00
会 場 日本記者クラブ 宴会場 map
(千代田区内幸町2-2-1 日本プレスセンタービル9F)
Tel.03−3503−2721

月例会とは

会員制情報サービス組織「フジサンケイ広報フォーラム」が毎月開催する「勉強会」です。広報担当者にすぐに役立つ情報提供を目的にしたものです。勉強会のテーマは、事件・事故、特殊ジャーナリズム、内部告発などへの対応といった危機管理やIRなど。時には企業見学会なども実施します。
月例会には、会員各社から何名でもご参加いただけます。また、テーマによっては関連部門(宣伝部や法務部など)の方のご参加も可能です。
「フジサンケイ広報フォーラム」についての説明はこちら