情報調査部

フジサンケイ広報フォーラム

広報セミナー(開催レポート)

中国マーケットの今後と日本企業の戦略

中国政治・経済の最強アナリストが解説
日 時: 2012年7月25日(水) 15:00〜17:00
会 場: 日本記者クラブ 宴会場
講 師: 中国ビジネス研究所代表、多摩大学大学院客員教授
沈 才彬(しん・さいひん)氏

フジサンケイ広報フォーラム7月の月例会は多摩大学大学院客員教授の沈 才彬(しん・さいひん)氏を講師に迎え、「中国巨大市場の行方と日本企業の対応」をテーマに2012年の中国経済のシナリオや中国の次の一手などについてお話いただきました。参加者からは中国での成長分野などについての質問が相次ぎ、盛況のうちに会を終了いたしました。

講演要旨

型にとらわれない戦略思想が重要と語る沈教授型にとらわれない戦略思想が重要と語る沈教授

私は、現代中国を読み解くには、政権交代期における権力闘争と経済成長との関連性や中国が次にとるはずの一手を予測することが大事だと考えています。本日はそれを基に解説していきたいと存じます。

この5月に英国のファイナンシャル・タイムズ(FT)紙に米国企業のCEO 約70人へのアンケート結果が掲載されました。内容は、「世界で最も有能かつ信頼できる組織体はどこか」というもので、多国籍企業と各国の中央銀行に次いで、第3位に中国共産党が選ばれました。中国は、企業でいえば20年連続の増収増益という結果を出し続けています。米国のCEOたちは、企業経営の観点から、この成長を主導した中国共産党を優れたリーダーシップと長期的な戦略を持っているとして評価したのです。

今年は、秋の中国共産党全国代表大会で習近平・李克強執行体制に世代交代します。中国には、政権交代期に権力闘争が激化するという経験則があります。また経済の失速と政権トップの失脚は、連動するともいわれています。今回の世代交代は、露骨な権力闘争や経済の失速によるものではありませんが、中国経済の崩壊や成長の鈍化を懸念する声もあります。私はユーロ危機の影響や国内の不動産バブルの懸念を考慮したとしても、8%前後の経済成長が引き続きなされると予測しています。経済に底堅いものがあり、まだ成長の余地が十分あります。ただ、中国には国民に広がった経済格差や役人腐敗の是正、政治改革、外需依存から内需主導型への変更などの課題があります。これらの諸問題を調整できるかで今後20年の中国の成長・発展が決まるといっても過言ではありません。最後に日本企業への提言をいたします。まず最初に中国は、もはや世界の工場ではなく世界の市場と考えるべきで、日本企業もビジネス戦略の転換を図るべきです。そのためには、

  • ①日本で生産し、中国に輸出する製品を増やす
  • ②中国での企業の現地化を徹底する
  • ③中国人観光客をさらに誘致し日本国内での消費を促す
  • ④中国資本を積極的に誘致する
  • ⑤優秀な中国人材の活用

などです。その上で、日本は米国とも親しく、中国とも仲良くという「親米睦中」という外交戦略をとることが日本の国益にかなうと考えます。

——以下、参考用に今回の月例会の御案内を掲載しています——

「フジサンケイ広報フォーラム」の7月・月例会は、新聞、テレビ、雑誌などメディアで活躍する中国経済のスペシャリスト、沈 才彬(しん・さいひん)氏を講師にお招きし、「中国巨大市場の行方と、日本企業の対応」をテーマにお話をいただきます。

リーマンショック以降、世界的な不況に見舞われ、多くの企業が経営困難に陥っています。その中で元気がいいのが中国企業です。しかし、中国企業はなぜここまで強くなれたのか、その原動力は何なのか、中国企業の実態はよく知られていないのが現状です。

中国企業による日本企業の買収は、今後の日本にどのような影響を与えるのか、日本企業はこれからどこへ向かえばいいのか、日本企業は一刻も早くその実体をつかむことが重要です。3月から4月にかけての現地調査の報告を交えて、最新の中国事情についてお話いただきます。

スケジュール調整のうえ、関係部署にもお声をかけていただき、ご参加くださいますようご案内申し上げます。

テーマ 中国巨大市場の行方と、日本企業の対応
講 師 中国ビジネス研究所代表、多摩大学大学院客員教授
沈 才彬 氏
日 時 2012年7月25日(水) 15:00〜17:00
会 場 日本記者クラブ 宴会場 map
千代田区内幸町2-2-1 日本プレスセンタービル9階

Tel.03-3503-2721(代表)

月例会とは

会員制情報サービス組織「フジサンケイ広報フォーラム」が毎月開催する「勉強会」です。広報担当者にすぐに役立つ情報提供を目的にしたものです。勉強会のテーマは、事件・事故、特殊ジャーナリズム、内部告発などへの対応といった危機管理やIRなど。時には企業見学会なども実施します。
月例会には、会員各社から何名でもご参加いただけます。また、テーマによっては関連部門(宣伝部や法務部など)の方のご参加も可能です。
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