情報調査部

フジサンケイ広報フォーラム

広報セミナー(開催レポート)

「増税したら税収が増える」というウソを暴く

財政悪化の元凶はデフレにあり
日 時: 2012年2月15日(水) 15:00〜17:00
会 場: 日本記者クラブ 宴会場
講 師: 産経新聞社特別記者・編集委員兼論説委員 田村秀男 氏

フジサンケイ広報フォーラム2月の月例会は、産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員の田村秀男(たむら・ひでお)氏を講師に迎え、「政府の増税キャンペーンに騙されるな」をテーマに日本経済再生の方策についてお話しいただきました。

講演要旨

産経新聞社特別記者 田村秀男 氏 産経新聞社特別記者
田村秀男 氏

今年1月24日、野田佳彦首相は、施政方針演説で改めて「社会保障と税の一体改革」は優先課題であることを強調した。将来にわたる安定した社会保障制度のためには、消費税の増税しかとるべき道がないというのだ。残念ながら、この考えに多くのマスコミも賛同している。ギリシャを例にとって、国の財政の建て直しが重要という声も多いが、これらには経済の成長という視点が欠けていると考えている。政府も、具体的な成長戦略を打ち出していない。

日本は1997年頃からデフレが始まり、経済が縮小し続けている。物価が下がるので、「デフレは悪」という認識は薄いが、賃金も下がり、消費にお金が回らなくなる。デフレ基調になるとGDPは縮小するのだ。中国は日本のGDPを追い抜いたが、こちらは一貫して物価上昇を遂げている。1929年に始まった米国の大恐慌もデフレ恐慌で、克服には実に12年も要した。デフレを放置して14年にもなる日本は、一刻も早く物価上昇に導き、賃金の増加を図らねばならない。

政府の統計数字をもとにグラフを作成すると、財政収支の悪化とデフレは連動しているのがわかる。つまり、財政の健全化にはデフレからの脱却しかないのだ。ところが、財務官僚にとって増税の実施は大きな手柄となるので、この点には触れていない。デフレ脱却のための経済政策をとれるのは政治家しかいないが、今の民主党政権は財務官僚の意見を鵜呑みにしていて、消費税増税ありきの議論しかなさない。野党も具体的な対案を出せず、まさに国家的な危機ともいうべきだ。

拙著「財務省オオカミ少年論」(産経新聞出版)でも触れたが、増税すればその分、人はお金をつかわなくなる。デフレが続く間は、家計消費は伸びないし企業の業績が上向くことはない。いま増税しても税収は増えないのだ。政府保有の100兆円分の米国債を日銀に買わせて、そのお金を日本再生ファンドとして民間に貸し出すことなど、日本の経済成長につながる方策を検討すべきだ。増税議論より前に、まず経済についての議論が必要だと考える。

——以下、参考用に今回の月例会の御案内を掲載しています——

「フジサンケイ広報フォーラム」の2月・月例会は、 産経新聞社特別記者・編集委員兼論説委員の田村秀男氏を講師にお招きし、「政府の増税広報キャンペーンに騙されるな!!」をテーマにお話をいただきます。

野田佳彦首相は、今年の初閣議で消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%へ段階的に引き上げることなどを盛り込んだ、社会保障・税一体改革素案を正式決定いたしました。

講師の田村編集委員は、国債の発行で100兆円の財源が確保できるとし、これを梃子に日本再生を進めるべきと論じています。月例会では、近著『財務省「オオカミ少年」論』の内容を中心に、財務官僚による増税ありきの騙しのテクニックについて解説いただきます。

スケジュール調整のうえ、関係部署にもお声をかけていただき、ご参加くださいますようご案内申し上げます。

テーマ 政府の増税広報キャンペーンに騙されるな!!
講 師 産経新聞社特別記者・編集委員兼論説委員
田村秀男(たむら・ひでお)氏
日 時 2012年2月15日(水) 15:00〜17:00
会 場 日本記者クラブ 宴会場 map
千代田区内幸町2-2-1 日本プレスセンタービル9階

Tel.03-3503-2721(代表)

月例会とは

会員制情報サービス組織「フジサンケイ広報フォーラム」が毎月開催する「勉強会」です。広報担当者にすぐに役立つ情報提供を目的にしたものです。勉強会のテーマは、事件・事故、特殊ジャーナリズム、内部告発などへの対応といった危機管理やIRなど。時には企業見学会なども実施します。
月例会には、会員各社から何名でもご参加いただけます。また、テーマによっては関連部門(宣伝部や法務部など)の方のご参加も可能です。
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