情報調査部

フジサンケイ広報フォーラム

広報セミナー(開催レポート)

電車ストップにどう対応したか

震災、台風時の電鉄会社の広報とは
日 時: 2011年11月16日(水) 15:00〜17:00
会 場: 日本記者クラブ 宴会場
講 師: 小田急電鉄(株) CSR・広報部課長 藤田謙 氏

フジサンケイ広報フォーラム12月の月例会は、フジテレビジョン報道局経済部長の大山泰(おおやま・やすし)氏を講師に迎え、「テレビが伝えた今年の重大ニュース」をテーマに開催しました。講演後には恒例となっている忘年会を兼ねた懇親会も行い、大山氏を交えて、活発な意見交換の場となりました。

講演要旨

小田急電鉄 CSR・広報部課長 藤田謙 氏 小田急電鉄 CSR・広報部課長
藤田謙 氏

小田急電鉄を中心とした小田急グループは、103社で構成され、従業員総数は約2万5千人に上ります。グループには百貨店やホテル事業会社のほか、保有車両台数では日本でもトップクラスのバス会社などがあります。電鉄の営業路線数は3路線ですが、その総距離は120.5キロと首都圏の私鉄でも長い部類に入ります。首都圏の通勤の足という側面と箱根という有数の行楽地への観光鉄道という二つの顔を持っています。

小田急電鉄では、運輸指令所という部署が全路線の運行状況をチェックしています。運行上の異常が見つかると無線で全社に伝えるという仕組みになっています。広報にもすぐに第一報が届くことになっており、情報を集約してマスコミに情報発信する体制を作っています。また休日や深夜など非常の時間帯には、広報担当者の携帯電話のメールに一報が届けられることになっているので、枕元において寝る習慣がついてしまいました。

3月11日の地震発生時には、60本の電車が動いていました。脱線やお客様の怪我の有無の確認作業に入り、復旧の見通しについてのリリースを地震発生から45分程度で、マスコミ各社に発信しました。その後も逐次、情報発信を計画していましたが、当日は情報が錯綜し、思ったように短い間隔での情報発信はできませんでした。もっとも、マスコミ側も相当混乱していたようで、予想したほどの問い合わせはなく、すこしほっとした記憶があります。

我々にとって、東電が計画停電を発表した3月13日(日)の夜からの1週間がとても厳しいものとなりました。電気が来ない区間があるので、変則ダイヤを組む必要があるのです。しかしこれが一筋縄ではいきません。車両の編成や乗員の手配などを一斉に変更しなければならないからです。しかも、東電が指定してくる停電エリアがどんどん増えてくるので、月曜の早朝になって、新宿—経堂間のみの運行と発表せざるを得ませんでした。

鉄道会社では、駅間での車両停車は許されません。小田急は駅間の距離が長いので、停電した場合、この駅間停車の危険性が高いのです。このため、計画停電の期間中、隣接する東急線や京王線が動きはじめても、運転を見合わせざるを得ませんでした。お客様からは、ずいぶんとお叱りを受けましたが、事情をご説明するとご理解いただき、頑張ってほしいとの声援なども受けました。ずいぶんと力づけられた思いがいたしました。

3月の震災では、ホームページにアクセスが集中し、うまく開かないという事態も起こりました。これを奇禍として、緊急時専用のホームページを立ち上げることを計画しました。9月21日の台風15号による運休に際して、80万件近いアクセスにも対応するという威力を発揮しました。我々小田急電鉄では、スピーディーな情報提供を心がけるとともに、判りづらい鉄道システムの仕組みを一般にご理解いただけるような広報活動を展開してまいりたいと考えております。

——以下、参考用に今回の月例会の御案内を掲載しています——

「フジサンケイ広報フォーラム」の11月・月例会は、小田急電鉄株式会社CSR・広報部課長の藤田謙氏を講師にお招きし、「電鉄会社の危機管理体制」をテーマにお話をいただきます。

日本の公共交通機関は、その安全性と正確性で世界でもトップレベルにあるといわれています。しかし、3月11日の東日本大震災とそれに伴う計画停電、さらに、9月の関東を直撃した台風15号でも、運行に大きな支障が発生しました。

小田急電鉄は首都圏の私鉄の中でもトップクラスの営業路線を運行し、通勤路線と観光路線という二つの顔を持っています。震災や台風でどう対応したのか、広報態勢はどうしたのか—についてお話いただきます。さらに、一般には知られていない、安全のための運行管理についても触れていただきます。

スケジュール調整のうえ、関係部署にもお声をかけていただき、ご参加くださいますようご案内申し上げます。

日 時 2011年11月16日(水)午後3時〜5時
会 場 日本記者クラブ・宴会場map
千代田区内幸町2-2-1 日本プレスセンタービル9F
Tel.03-3503-2721
テーマ・講師 「電鉄会社の危機管理体制」
小田急電鉄(株) CSR・広報部課長 藤田謙 氏

月例会とは

会員制情報サービス組織「フジサンケイ広報フォーラム」が毎月開催する「勉強会」です。広報担当者にすぐに役立つ情報提供を目的にしたものです。勉強会のテーマは、事件・事故、特殊ジャーナリズム、内部告発などへの対応といった危機管理やIRなど。時には企業見学会なども実施します。
月例会には、会員各社から何名でもご参加いただけます。また、テーマによっては関連部門(宣伝部や法務部など)の方のご参加も可能です。
「フジサンケイ広報フォーラム」についての説明はこちら