フジテレビ商品研究所

商品研究レポート

ロボット掃除機の性能を確認



ロボット掃除機


メーカーによるメディアを使ったプロモーションと通販や家電量販店の拡販などから共働き世代や高齢者の間で人気に火がつき、実力が認められるようになったロボット掃除機。市場に出始めた頃は海外製の商品が主流でしたが、ここ数年では国内大手家電メーカーなども参入し、盛り上がりを見せています。 ただその性能について、部屋の同じ箇所を何度も通らず、全体を満遍なく掃除できるのか、取り残しなくキチンと掃除できるのか気になるところです。そこで、ロボット掃除機の掃除性能をテストしてみました。



評価品

ロボット掃除機は移動の仕組みによって2タイプに分けられます。ひとつは室内の形状を記憶し、必要最低限のルートを選んで走行する「マッピング型」です。もうひとつは、部屋中を人工知能で制御しながら走る「自由走行型」です。今回は「自由走行型」の上位2機種(表1)を選びました。

表1 評価品一覧

走行ルートテスト

【 テスト方法 】
部屋中を満遍なく走行するかを確認するために、部屋の床全面にピンク色の疑似花粉(㈱アグリ/粒径10〜30μm)40gを均一にふるいで散布し、ロボット掃除機を走行させ、「花粉がなくなった個所=走行ルート」として目視で判定、評価しました。部屋の概要は<図1>に示します。 ロボット掃除機はスタート位置から「自動モード」で運転し、掃除完了と掃除機自身が判断し、停止した時点で評価しました。

図3:走行ルートテストを実施した部屋


【 テスト結果 】
テストの結果はルーロを<写真1>に、ルンバを<写真2>に示します。


<ルーロの特徴>
ルーロは小刻みに方向を変えながら小範囲を満遍なく掃除し、その範囲を広げていくような走行パターンが見られましたが、約22分経過後にダストボックスが満杯になり、途中で停止してしまいました。そのため、部屋の中央部に走行していない箇所ができました。また、隅掃除に強いという特長のとおり、コーナーの形状と本体の形状が沿うようにして入念に掃除をしましたが、ブラシの回転で舞い上げられた花粉がコーナーで跳ね返され、本体の上ならびに壁面に付着していました。ルーロの回転ブラシは隅掃除に強くするため、ルンバに比べて隅のゴミにブラシが届くよう毛足が長く、さらに左右両側にあります。そのため回転すると、気流を生じさせ、今回のような粒子状のゴミを舞い上げてしまう短所がありました。


<ルンバの特徴>
ルンバは直線的に走行し、障害物に接触すると方向を変え、また花粉の多いところでは小刻みな往復を繰り返すといった走行パターンでした。ほぼ床の全面を走行し、約17分で掃除が完了して停止しましたが、部屋の端の花粉は走行したにも関わらず取りきれていませんでした。掃除完了後、本体の上に花粉は積もっていなかったため、ゴミの舞い上げはルーロに比べると少量でした。


捕集したゴミを溜めておくダストボックスの容量がルーロよりもルンバのほうが大きいため、ルンバはダストボックスが満杯にならず途中停止はありませんでした。なお、ルーロには機内に気流を発生させ、ゴミを圧縮させながらダストボックス容量の5倍に相当するゴミが溜められるという長所がありますが、疑似花粉のような細かい粒子状のゴミではその効果は発揮されませんでした。


写真1:ルーロの走行テスト結果

写真2:ルンバの走行テスト結果



掃除性能テスト

【 テスト方法 】
約6畳の部屋に家具等を配置し、実際の部屋を想定した空間を準備しました<写真3>。そこに一定量のゴミを9箇所の指定箇所にまきました<図1><表2>。 ロボット掃除機を自動モードで運転させ、掃除完了と掃除機自身が判断し、充電台に戻った時点の部屋に残ったゴミの数量を数え、除去率を算出しました。



写真3/図1/表2:試験部屋の配置とゴミの種類と数量




【 テスト結果 】

ゴミ量が多い場合
<表2>の条件①のゴミの量でテストしたところ、ルーロは36分10秒で「タイヤが回転していません」というエラーメッセージで停止し、また、ルンバは8分30秒で「ローラーブラシを清掃してください」というエラーメッセージで停止してしまいました。どちらのロボット掃除機も糸くずや輪ゴムなどの長いゴミがローラーブラシなどに絡まっている状態でした。 ルーロはローラーに糸くずや輪ゴムが絡みつき、ハサミなどで切断しなければ外せず、取り除くのに時間がかかりました<写真4>。 ルンバのローラーはブラシ形状ではなくシリコンゴム様素材のシートローラーで、ローラー自体に糸くずなどは全く絡まっておらず、ローラーとローラー軸の隙間に入り込んだゴミを手で簡単に取り除くことができました<写真5>。 ローラーにゴミが絡みつかないため、手入れはルンバの方が簡単です。


写真4:ルーロのゴミの絡まり状況


写真5:ルンバのゴミの絡まり状況



ゴミ量を減らした場合
途中で停止しないように、絡まりの原因となった長いゴミなどの数量を減らして<表2>の条件②で再テストしました。試験は各3回行い、床に残ったゴミの数を数え、捕集率を算出しました。


<ルーロの結果>
ルーロのテスト結果を<表3>に示します。1回目のテストでは、32分経過後に観葉植物とテーブルの脚の間で立ち往生の状態になりました。テーブルの脚に衝突して90度左に回転して観葉植物にぶつかるという動作を続けたため、この時点で終了としました。センサーが地形を認識できない状況になってしまったと考えられます。 2回目では40分50秒でカーペットの毛にサイドブラシが絡まり「本体を別の場所に移動してください」のエラーとともに停止しました。掃除できるカーペットの毛足の長さは2㎝までのところ、今回の試験で用いたものは1.3㎝でしたが、サイドブラシがかなり強くカーペットの毛に絡まってしまいました。すぐには取り外せないほど絡まっていたので、この時点で終了としました。 3回目は約60分で掃除が完了し、充電台に戻りました。


表3:ルーロのテスト結果


30〜40分で途中停止してしまった1回目と2回目を60分かけて完走した3回目と残ったゴミの量で比較してみるとそれほど大きな差はないため、6畳程度の部屋であれば30〜40分でゴミを取りきれるものと思われます。 髪の毛、糸くず、輪ゴム、発泡スチロール小片はほとんど取りきり、部屋の端やコーナーにゴミは残っていませんでしたが、生米や麺菓子、ホチキス針のような固くて小さなゴミは走行中に回転しているブラシによって弾き飛ばされ、掃除が終了しても障害物の隙間や段差に残っていました<写真6・7>。残ったゴミのほとんどは走行の障害となる家具類の間際にあり、カーペットなどの敷物の厚みの分だけロボット掃除機が浮いてしまい、十分に吸引力が発揮されませんでした。

写真6/7:障害物の際にのこるゴミ

<ルンバの結果>
ルンバのテスト結果を<表4>に示します。ルンバは、2回目のテストの21分の時点で「ローラーブラシを清掃してください」のエラーメッセージとともに停止しましたが、すぐに絡まったゴミを除去して再スタートさせたところ、27分50秒で掃除が完了しました。1回目と3回目のテストでは途中で停止するようなことはなく、掃除を完了させて充電台に戻りました。 残ったゴミは生米や麺菓子、ホチキス針などで、障害物の隙間や段差に残り、ルーロと同じ傾向でしたが、掃除時間は30分未満でした。


表4:ルンバのテスト結果



まとめ

残ったゴミの数量で算出した捕集率と先の走行ルートテストで得られた結果を<表5>にまとめます。どちらの掃除機も、障害物の隙間や段差に弾き飛ばされた固くて小さなゴミはとりきれませんでしたが、これらの場所以外にはゴミはほとんど落ちておらず、捕集率にすると90%を超える良好な結果でした。走行ルートテストでは、走行しないルートや部屋の端の取り残しがありましたが、実使用ではこれらの問題はなさそうです。

表5:テスト結果一覧

部屋に障害物や段差がないほどロボット掃除機の掃除性能は向上すると思われます。ローラーやタイヤに絡んでしまいそうな糸状のゴミや障害物となるものをなるべく取り除き、ロボット掃除機が走行しやすい環境を整えるのがポイントです。ロボット掃除機を使いだすと、おのずと部屋を片付ける習慣もつくので一石二鳥といえます。

(2015.09.30 生活科学研究室)

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