フジテレビ商品研究所

商品研究レポート

「衣類用スプレー剤の撥水加工(水弾き効果)に及ぼす影響」

衣類用スプレー剤の
撥水加工(水弾き効果)に
及ぼす影響

布製品用消臭スプレーや花粉対策スプレーを使った際に、衣類に施されている撥水加工に対して影響がないのか、調べてみました。

目 的

 衣類や住居用のカーテン、ソファーなどの布製品のニオイを取るという消臭スプレーや、花粉によるアレルギー対策として、衣類に直接吹きかける花粉対策用スプレーも出回っています。これらの布製品用消臭スプレーや花粉対策スプレーは、コートやスーツといった外着にスプレーするケースもあり、この際に、衣類に施されている撥水加工に対して影響がないのか、調べてみました。

試験試料

試験に使用した撥水加工布は以下の4種類。

<表1>試験に供した撥水加工布

No. A布 B布 C布 D布
組成 毛97%
ポリエステル3%
綿100% 綿65%
ポリエステル35%
ポリエステル100%
加工 超撥水加工 超撥水加工 撥水加工 撥水加工
用途 紳士用スーツ 紳士用コート 婦人用コート 婦人用コート

今回テストを行った衣類用、布製品用スプレー剤は10品。3品が消臭スプレー、3品が花粉用スプレー、3品がハウスダスト用スプレーで、さらに、コートやスーツに使うことは想定されていない衣類用スプレー剤のシワとりスプレーもテスト品に加えた。

<表2>

試験方法

 各試験布に「2プッシュ噴霧し自然乾燥する」を1サイクルとし、試験布は1サイクルと5サイクル繰り返したものを試料として作成し試験した。作成した試験布に100μlの水滴を1滴、滴下した直後の写真を撮影し、水滴を滴下する位置とカメラの位置を固定させ撮影した。撮影した写真を同倍率に拡大し、水滴の高さ(H)を計測し、噴霧しない撥水加工処理布の水滴高さを100とし、それぞれのサンプルの水滴高さ変化を調べた。撥水性のある布に落とした水滴の接触角を測定するのは接触線をどこにとるかで正確に測ることが難しいため、接触角の代わりに水滴高さの変化を調べることとし、接触角と同様、水が布に馴染みやすくなると水滴高さが減少することを利用した。

<図1>

試験結果

 試験結果を<表3>と<図2>に示す。
 水滴を滴下した直後の水滴高さから、その撥水の効果が推定できるが、テストしたいずれのサンプルでも、2プッシュ後乾燥という1回使用で、初期の撥水性能を低下させていることが分かる。また、使用を繰り返すことを想定した5回使用では、さらにその性能が低下し、全く撥水性能をなくしてしまったものも多かった。このようなサンプルの中で、No4のサンプルは水滴高さが繰り返し使用しても90近く(BL100に対して)を維持し、この撥水性能等級も1回使用で4級、4級-5級、5回使用でも4級、3級を維持し、他のスプレー剤よりもその撥水性能に及ぼす影響が少ないものもあった。こういう商品の特徴は、1回使用でも5回使用でも撥水性があまり変化しないというのが特徴である。また、No4の商品とは対照的にNo2の商品は1回使用では水滴高さがほぼBLと同じものもあるものの繰り返し使用で、極端に水滴高さが低下してしまうという商品である。このNo2の撥水性能等級を調べてみると、1回使用でも1級〜3級と他の商品よりも極端に悪く、繰り返し使用ではC布以外はすべて1級と全く撥水性をなくしてしまう商品であることが分かった。このNo2の商品は他のスプレー剤と違い、1回使用で撥水加工剤の布状態が変化していると思われ、繰り返し使用によって、撥水効果が全くなくなってしまう商品であることが分かる。このように、商品によっては1回使用とさらに繰り返して使用しても撥水性に及ぼす影響があまり変わらないという商品と、繰り返し使えば使うほど、撥水性に及ぼす影響が大きくなっていくという2タイプのものがあることが分かった。また、使われている生地の素材によっても(あるいは使われている撥水加工剤の種類によるのか?)、撥水性への影響は違ってくることも分かり、布用のスプレー剤を使用するときは、その都度、撥水性(水弾き効果)を目立たないところで調べてから、使用することを勧めたい。

<表3> <図2>

取り扱い上の注意

 ちなみに、目立たないところとは、撥水性に影響しないコートやスーツの裾などの見返し部分(裏)が良いでしょう。軽く2プッシュ噴霧させ、この時、白いシミにならないかも同時に調べます。白いシミになっていないことを確認したら、さらに、霧吹きで水を吹きかけ、水滴の様子を確認して下さい。この時、細かく水滴が弾いていれば1次通過です。その後、水滴をティッシュオフした後、軽く布の表面を観察するか触ってみて下さい。
 布が濡れていなければOKです。

シミになるか?

 衣類用消臭スプレーや花粉対策スプレーには下記のような注意書きがある商品もあります。
 「防水加工など特殊な加工をされたものはシミになるおそれがあるので・・」
 このシミができるかどうかについても、今回の商品について調べてみました。結果は表4の通りでした。NO4,NO8,NO9はいずれの撥水加工布についても白いシミが顕著に観察されましたが、スプレー剤5品については全く問題がありませんでした。今回調べた10品の商品の中で、防水加工および撥水加工布への使用を禁止しているのは、No4の商品のみでしたが、この商品は、一番撥水性能を低下させていない商品でした。ところが、この商品は、白いシミが発現するということで、使用を禁止の注意表示がされているものと思われます。このように、シミの発現と撥水性の低下とは全く関係がないことも分かり、白いシミが発現するかということと別に、撥水性(水弾き効果)についても別に確認しなければいけないことが分かります。

<表4>

(2006.03.01 商品研究室)

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