エフシージー総合研究所・フジテレビ商品研究所

2014年研究発表

第41回日本防菌防黴学会

2-メルカプトピリジン-N-オキシド含有複合剤のエアロゾル散布による抗菌効果
日時・場所:2014年9月24日〜25日 きゅりあん(品川区立総合区民開館)
発表者:○橋本一浩1)、川上裕司1)、小田尚幸1)、石田智洋2)、関 秀行3)

1)(株)エフシージー総合研究所 IPM研究室
2)(株)ピュアソン

目的

 細菌・真菌・藻類などに対する抗菌効果が知られている2-メルカプトピリジン-N-オキシド塩(以下、2-MPO と称す)は、非塩素系、非界面活性剤、非農薬指定物質であるため有害性が低い。演者らは、室内の空間全体に抗菌・抗カビ処理を施すことを目的として、2-MPO を主剤とした複合製剤を開発した。今回、この複合抗菌剤をエアロゾル化し、試験空間内に散布することによる抗菌効果の検証を行った。

方法

試験1:5cm×5cm の木板に、Cladosporium cladosporioides NBRC6348 の分生子を懸濁させたPDB を滴下し(約104cfu)、試験片とした。ガラス製の小型チャンバー(約170L 容)内に試験片を設置し、2-MPO 複合剤のエアロゾルを充満させた。1 時間後に試験片を回収した。試験片は、25℃、96%±2%RH で培養し、1 週ごとに撮影した。

試験2:樹脂製ボックス(約100L 容)の蓋に貼った濾紙にAspergillus niger NBRC6341 またはPenicillium citrinum IFM58529 の分生子を懸濁したPDA 軟寒天培地をしみこませた(約105cfu/mL)。ボックス内にDG18 培地を置き、2-MPO 複合剤エアロゾルを散布、5 日後DG18 を回収した。培地上のコロニーと、濾紙上の分生子の色で真菌の成長を判断した。

試験3:輸送トラック6 台のコンテナ内を利用し、実地試験を行った。1台につき、壁4 面・天井・床の計6 か所をふき取り検査し、100cm2 あたり一般細菌数、真菌数、ATP を測定した。分離培地には、普通寒天、PDA、DG18 を用いた。検査後に、2-MPO 複合剤スプレーを噴射し、エアロゾルをコンテナ内に充満させた。その後、各輸送トラックは通常通りの業務を行い、1 週間後に再び一般細菌数、真菌数、ATP 測定を実施した。

結果・考察

試験1:対照区の木板にはCladosporium が著しく発育していたが、2-MPO を暴露した木板ではカビ発育が明らかに阻害されていた。

試験2: 2-MPO を噴霧することで、培地上のコロニー形成と濾紙上の分生子形成が見られず、A. niger 胞子の成長を抑制していた。

試験3:コンテナ壁面では、2-MPO 散布1 週間後の一般細菌数は延べ35 箇所中33 箇所で減少し、真菌数(PDA およびDG18)では延べ35 箇所中29 箇所で減少した。ATP 値は延べ36 箇所中34 箇所で減少していた。
以上より、2-MPO 複合剤のエアルゾル散布により、室内の壁面や物質上の細菌・真菌に対する抗菌効果が確認できた。

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