エフシージー総合研究所・フジテレビ商品研究所

2014年研究発表

第41回日本防菌防黴学会

カビアレルゲンデータベースの構築とその活用
日時・場所:2014年9月24日〜25日 きゅりあん(品川区立総合区民開館)
発表者:○大波純一1)、渡辺麻衣子2)、山田 修3)、水谷 治3)、高橋 徹4)、川上裕司5)、橋本一浩5)、清水公徳6)、髙橋治男2)6)、横山耕治6)、鎌田洋一7)

1)JST・NBDC
2)国衛研・衛微
3)酒類研・醸技応研
4)(株)岐阜セラツク製造所
5)(株)エフシージー総合研究所 IPM研究室
6)千葉大・真医セ
7)岩手大・農

目的

 一部の真菌由来物質には、アレルギー症状を引き起こす物質(アレルゲン)が存在することが知られている。また、発酵・醸造産業の業務従事者が大量の真菌の暴露を受け職業性アレルギーを発症する場合があることから、特に麹菌やその関連菌由来物質と業務従事者の健康の関係性が注目されている。そこで本プロジェクトではカビアレルゲンの包括的な理解のため、真菌ゲノムの中からアレルギーに関連する遺伝子の網羅的な探索を実施している。

方法および結果

 これまでに解読されていた4 株のAspergillus 属菌(A. niger ATCC 1015、A. niger CBS513.88、A. luchuensis RIB 2604、A. kawachii NBRC 4308)の全ゲノム塩基配列に対し、アレルゲン関連遺伝子の公開データベース(IUIS allergen nomenclature)の登録配列の相同性検索を行い、麹菌ゲノムに含まれるアレルゲン遺伝子の探索を行った。この検索結果をe-value によって、ランク1:e-value が0、ランク2: 0 より大きくe-10 未満、ランク3:e-10 以上1 未満、ランク4: 1 以上10 未満、の4 段階にランク付けした。さらにIUIS allergen nomenclature に登録されているアレルゲン性の根拠となる情報についても、ランク1:組換えまたは精製アレルゲンでIgE 抗体の結合が確認されているとともに、皮膚テスト等臨床試験で有用性が確認されたもの、ランク2:組換えまたは精製アレルゲンでIgE(一部IgG)抗体の結合が確認されたもの、ランク3:粗抽出物で臨床試験陽性またはウエスタンブロット上でIgE 抗体の結合が確認されたもの、ランク4:データがなく根拠不在、以上の4 段階のランクで評価を行い、情報の整理を行った。その上で検索・並び替え・ダウンロード機能を追加し、「カビアレルゲンデータベース」(https://fungusallergen.agr.iwate-u.ac.jp/)としてサイトの公開を開始した。

 利用者は本データベースからアレルゲン遺伝子と相同性が高い真菌ゲノム情報に容易にアクセスすることができ、2 種類のランク付け評価から情報の精度を検証することができる。今後はこの情報を活用し、登録データの近縁種における実験研究の実施やアレルゲンランキング上位の遺伝子に対するエピトープ解析を行い、活用範囲を広げる予定である。また、周辺情報の追加などデータベースの機能強化を行い、カビアレルゲンの詳細な解明のための情報基盤構築を継続する。

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