2014年研究発表
第11回昆虫病理研究会シンポジウム
複数手法によって明らかとなった国内昆虫由来Beauveria属糸状菌の系統関係日時・場所:2014年9月18日〜20日 富士Calm(一般財団法人 人材開発センター富士研修所) |
発表者:○小田尚幸1)2)、畠山吉則2)、岩野秀俊2)
1)エフシージー総合研究所 IPM研究室 2) 日大生物資源応昆研 |
要旨
昆虫病原性糸状菌の一種であるBeauveria bassianaは、殺虫性の高い株が微生物農薬として利用されている。近年、海外産Beauveria属菌の系統関係が複数遺伝子配列の解析によって見直され、新種を含む12種に再編された。国内昆虫から多数のB. bassiana株が単離されているものの、系統関係に関する報告は少なく、その系統関係には不明な点が多い。また、国内産B. bassianaには微生物殺虫剤として農薬利用されている株もあり、系統関係の解明は今後の農薬開発への重要な情報となる。そこで、従来手法であるITS配列の解析および新規手法となるGP法の2手法を用いて、国内昆虫由来の既知B. bassianaにおける系統関係を調査した。
両解析の結果、供試株のいくつかは、同じBeauveria属であるB. brongniartiiとB. pseudobassianaに再分類された。このうち、B. pseudobassianaは本研究により初めて国内での存在が明確なものとなった。また、GP法による解析はB. bassianaを4つの系統に細分し、従来手法では識別できなかった複数系統の存在を明らかにした。
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