エフシージー総合研究所・フジテレビ商品研究所

2014年研究発表

都市有害生物管理学会 第35回年次大会

一般住宅の寝具の室内塵性ダニ類,昆虫,真菌の分離調査(第1報)
日時・場所:2014年6月27日 日本大学生産工学部 津田沼キャンパス
発表者:○川上 裕司1)、橋本 一浩1)、小田 尚幸1)、神山 典子2)、赤野 景子2)、西澤 孝士2)、麻野 信弘2)
1)エフシージー総合研究所 IPM研究室
2) ダイソン(株)

緒言

 近年、高断熱高気密の住宅が主流となったことにより、年間を通じて室内塵性ダニ類やチャタテムシが繁殖しやすくなったといわれている。そこで、繁殖しやすい寝具を調べて現状を把握し、アレルギー疾患回避のための基礎データを得る目的で調査を実施した。

調査法

 一般住宅45軒(東京都33軒、神奈川県6軒、埼玉県4軒、千葉県1軒、茨城県1軒)のモニターにサイクロン式電気掃除機(Dyson-DC61)を配布し、寝具の表面90×180cmを1分間かけて掃除機がけして頂いた。そして、採取した塵埃はジップロックに入れて、郵送頂いた。サンプルダストは重量を計量し、以下の3つに取り分けてそれぞて検査を行った。①ダニ・昆虫類分析・同定検査用(②と③を除いた全量)、②ダニ抗原量分析(ELISA)用(約50mg)、③真菌分析・培養検査用(約10mg)。

試験結果および考察

 室内塵性ダニ類のうち最も多く分離されたのは、コナヒョウヒダニ(D.f.)であった。ダニ抗原量の分析結果もコナヒョウヒダニ由来のDer f 1がヤケヒョウヒダニ(D.p.)由来のDer p 1よりも多かった。D.fだけが分離された住宅は36軒/45軒(80.0%)で、D.p.だけが分離された住宅は1軒/45軒(2.2%)であった。その他のダニではケナガコナダニ、ナミホコリダニ、ミナミツメダニ、ササラダニ類がそれぞれ1軒の住宅から、フツウマヨイダニが2軒の住宅から分離された。また、クモ類が9軒の住宅で分離された。昆虫では、ヒメマルカツオブシムシ(脱皮殻)が4軒で、Coleopteraが3軒で、Dipteraが1軒の住宅で分離された。これらは殆どが死骸であった。真菌では、Cladosporium属の菌類が25軒/45軒(55.6%)と最も多く分離された。また、Aspergillus section RestrictiA. restrictus等)に属する菌類が10軒の住宅から分離された。いずれもアレルゲンとなる菌類である。
調査を行った春季でも居住者が一日の中で一番長く接する寝具には、アレルゲンとなるダニやカビ(微細塵となった死骸)が多く付着していることが明らかであり、居住者が複数の生物アレルゲンに同時暴露される機会が多いことが示唆された。

環境科学研究室では、「ダニ」「カビ」「微小昆虫類」「抗菌性評価」など
室内環境の有害生物の研究・調査に対応いたします。

【室内環境生物分野の試験および研究】
  • 室内環境中で健康被害を及ぼすダニ・微小昆虫類・カビなどの研究
  • 喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルゲンとなる生物の研究
  • 大学や国公立の研究機関との共同研究
  • 空気清浄機の除菌性能評価、抗菌素材の性能評価などの商品実用試験
  • 異物混入検査

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