今までの研究レポート

鮭卵巣膜抽出物の美容効果検証
鮭卵巣膜抽出物の美容効果について行ったモニターテストの結果をご紹介します。
試験の概要
美容・健康・料理研究室では、ご依頼いただいた食品やサプリメント(健康補助食品)の肌への影響を検証するために、一般モニターの協力を得て、摂取前後の肌計測を実施しています。
今回は、鮭卵巣膜抽出物の美容効果について行ったモニターテストの結果をご紹介します。
試験内容
試験内容 | 鮭卵巣膜抽出物の美容効果検証 |
---|---|
試験方法 | 一般健常女性をモニターとする二重盲検法による手法 |
摂取期間 | 8週間( 2006年1月中旬〜3月中旬 ) |
摂取方法 | 錠剤タイプで、1日4粒摂取( 1粒250mg ) 【テスト品】:鮭卵巣膜抽出物( 原料90%+賦形剤10% ) 【対照品】:プラセボ ( 賦形剤100% ) |
摂取期間 | 8週間( 2006年1月中旬〜3月中旬 ) |
摂取期間 | スタート時、4週間後、8週間後 |
モニター | 健常な40代(40±2歳)女性20名(一般モニター) 肌タイプは乾燥肌で、肌の乾燥や冷え性が気になる人 |
試験方法
- モニターは2群の間に有意な偏りがないように、初回の肌測定の数値と美容専門家による肌タイプの分類から年齢および肌の状態を出来るだけ均一に10名ずつ2群に分ける。
- モニターには摂取するサプリメントがテスト品であるかプラセボ品であるのか知らせず、毎日4粒の摂取を義務づける。
- 肌計測者はモニターがどちらのサプリメントを摂取しているのか知らせない状態で計測を行う。
- サプリメントのモニターへの手渡し、および、摂取品の管理、モニター管理はテスト終了まで肌計測に関わらないモニター担当が行う。
試験内容
肌測定条件 | 弊社指定のクレンジング剤、洗顔料でW洗顔後 22℃・50%RHに調整した環境試験室内で20分間座位安静後測定を開始 |
---|---|
測定項目 | 肌計測一般項目(水分量、皮脂量、水分蒸散量、肌弾力、肌色、キメ・シワ、肌拡大写真)BSチェッカー(末梢血液循環機能) |
血液採取 | IGF−1(加齢マーカー)* *血液採取は臨床医師によるインフォームドコンセントの後、医師によって採取される。 |
アンケート | 肌状態アンケート・体調体質アンケート・スキンケアアンケート |
アンケート採取方法 | 8週間( 2006年1月中旬〜3月中旬 ) |
摂取期間 | スタート時、4週間後、8週間後、中止2週間後 |
試験結果
一般に加齢と共に数値が低下するIGF-1(ソマトメジン)は、図1に示すように、4週間の摂取で数値は上昇し、プラセボ摂取群では低下した。2群間に有意差はなかったが、テスト品摂取群では、摂取の経過と共に数値が上昇する傾向が見られた。
図2に指先の末梢血液循環機能のスコア値の変化量を示す。加齢と共に数値は低下し、数値が高いほど血液循環の機能が高いということになる。図2より摂取経過とともにテスト品摂取群では数値が増加していることが分かる。寒い時期であると、プラセボ摂取群のように数値が減少傾向を示すことを考慮すると、テスト品摂取で手足などの末梢の血液循環を良好にすることもできるのではないか期待される。
シワ係数はそのシワの目立ち方で、ほとんど目立たないグレード1(3.0以下)、グレード2(3.0〜4.5)、シワが存在するグレード3(4.5〜6.0)、グレード4(6.0〜7.5)、深くはっきり目立つシワであるグレード5(7.5以上)の5段階に分類される。
図3に示す通り、テスト品摂取群では8週間の摂取で約1弱の低下を示した。この結果は、スタート時が平均で4.9のグレード3相当だったものが、平均で4.1のグレード2相当になったことが分かる。
モニターは図4に示す通り、テスト品摂取群では全ての項目で概ね良好な方向に評価され、摂取を中止してもさらに良好になったと評価していた。
(2007.09.04 暮らしの科学部)

