vol.58 なぜ、みかんにカビが生えるのか


 冬の旬の果物といえば、みかんがあります。みかんは箱で購入した場合、底の方に何個かカビが生えていることがありますね。 カビというと、ジメジメした所や湿度の高い季節に出来るというイメージがあります。みかんは比較的食品が日持ちする乾燥している冬場の果物です。
 ではなぜ、カビが生えるのでしょう?


みかんのカビは低温で乾燥した場所に置いても生えやすい

 みかんに生えるカビの多くは、コロニー(発生部位)の周縁が白く、中央部分が緑色になっています。このカビは、アオカビの仲間である「ペニシリウム・イタリカム」または「ペニシリウム・ディジタータム」で柑橘類に多く発生するカビです。柑橘類には、プロリンと呼ばれるカビの発芽を促進するアミノ酸(ヒトの健康には良い物質)が含まれています。みかんの果皮には、プロリンが多く含まれていることから、低温で乾燥した場所に置いてもカビが発生し、繁殖してしまうのです。



カビの生えたみかんは、カビだけ取って食べずに廃棄する

みかんに生えるカビの中にはカビの二次代謝産物である「カビ毒(マイコトキシン)」を産生する種がいますので、カビの生えたみかんは、カビが生えた部分だけ取って食べようとはせずに廃棄してください。また、カビの粉が手に付着した場合は、必ず手を洗ってから食べるようにしてください


カビの生えたみかんを見つけたら、他のミカンに移っていないかをチェックする

 カビの生えたみかんから、さらに他のみかんにも移ってしまうので、箱入りのみかんを購入した場合は、すべてのみかんを取り出してカビが発生しているかどうか、チェックをしましょう。そして、底の方で潰れかけたみかんを発見したら取り出してください。再び、箱にみかんを戻す際は、途中で1枚新聞紙を挟み込むと隙間ができて潰れにくくなります。  みかんに関わらず、果物は新鮮なうちに食べきるのが賢明です。
 みかんはビタミンCを含むので風邪予防に、乾燥している冬場の水分補給にもなりますので、冬場の食生活に上手に利用しましょう。


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vol.10 お餅に生えたカビの対処法:正しい保存方法と残ったお餅の上手な使い方


【詳しく解説している記事】
(13)箱詰めミカンのカビを防ぐには(研究所コラム「微に入り細に入り」より)
:箱詰めミカンをアオカビから守るには、傷のついたミカンを取り除くことが肝心です。購入したら、傷ついたミカンがあるかどうか点検しましょう。

(2015.1.14)

IPM研究室