
(107) ジュースを作る
器具別に味とビタミンを評価
数年前から健康や美容に関心の高い人たちの間で、野菜や果物のジュースがブームになっています。異なるタイプのジュース用家電を使い比べてみました。

● ジュース用家電
使用したのはハンドブレンダー、ミキサー、高速ブレンダー、低速ジューサーの4種類。ハンドブレンダーは柄の先に刃のない羽をつけ、容器に入れた材料に押し当てて使います。ミキサーと高速ブレンダーは羽が異なり、前者は刃があり、後者には刃がついていません。低速ジューサーは従来のジューサーよりも時間をかけて圧搾し、ジュースと絞りカスに分けます。
● ジュースを作る
ジュースに差が出やすいように、香りが強く繊維の多いセロリ60gと、苦味と甘みのあるグレープフルーツ120gを用いました。ハンドブレンダーは1分30秒、ミキサーは30秒、高速ブレンダーは20秒、低速ジューサーは汁が出なくなるまで約1分回転させました。
● 飲み比べてみる
香りや食感、味など9名で飲み比べました(表)。ハンドミキサーはキメが粗く、繊維が口に残りました。ミキサーはふわっと空気を含んで甘みを感じる傾向にあり、高速ブレンダーはハンドブレンダーとミキサーの中間的な評価となりました。低速ジューサーは、繊維は絞りカスとなってジュースは完全な液体になるため、香りや味をストレートに感じました。
● ビタミンCを測定
ジュースのビタミンC量を測定したところ、低速ジューサー以外は生のまま食べるときと同じでした(図)。ジュースを作る際の回転で温度はやや上昇しますが、その程度の温度や空気との接触でビタミンCが減少することはないようです。
低速ジューサーも、ジュース100g中のビタミンC量は他と同じでしたが、絞りカスを除くため、食材量を他と同じにすると、摂れるビタミンCは少なくなります。
● まとめ
ジュース一杯中の栄養にこだわりがちですが、まずはジュース習慣を続けることが大切。ジュース用家電を選ぶときは、ジュースの飲みやすさに加え、ジュース以外の料理に使える汎用性も考慮しましょう。
(2015.10.23)
