
(94) ピーラー
〜じゃが芋のむきやすさが肝心〜
ピーラーは野菜の皮をむく際に重宝する道具。刃と柄のつき方でI型とT型の2種類があり、2000円以上するものもあれば100円ショップで売られているものもあります。9商品(=写真)について実際に使い、評価しました(=表)。


●にんじんの皮むき
ピーラーを使いやすい真っ直ぐな野菜の代表としてにんじんを選びました。一直線に長く、軽く皮がむけることで切れ味がわかります。切れ味がよいと評価されたのはFとGでした。I型よりT型の方が力をかけずにむける傾向でした。
●じゃが芋の皮むき
凹凸の多い男爵芋1個を使い、むきやすさと芽の取りやすさを評価しました。また、皮むき回数は少ないほど、芋のカーブに刃が沿いやすく、一回の動作でむける面積が大きいことを示します。最も皮をむきやすかったのはEで、Jは軽い切れ味が、Bは力を入れやすい安定感が好まれました。芽の取りやすさにも差はありましたが、総合評価にあまり影響せず、じゃが芋の皮のむきやすさがピーラーの使い勝手の総合評価に直結することがわかりました。
ちなみに、むいた皮の厚さを測定し、皮むき後の重量から歩留り率を求めたところ、皮の厚さは1.1〜1.6ミリと商品間に約1.5倍の差がつきましたが、歩留りは90〜92%と大差はありませんでした。
●まとめ
総合評価が高かったのは、昔から愛用者が多く、値段も手ごろなEでした。皮むき回数が最も少なかったI型のBも好評で、「包丁を使う感覚で皮をむくことができる」「グリップが握りやすい」「T型よりも収納しやすい」という感想が出ました。使い慣れると、活躍してくれそうなピーラーです。
ただし、使う人の手の動かし方、手の大きさ、力の強さなどでも使い勝手は違ってきます。評価が高かったJは100円ショップの商品でしたから、値段が高ければよいというものでもありません。試験を通して、ピーラーは見た目や価格では使い勝手を判断できない商品であることを実感しました。ピーラーの使用頻度が高い人は、実際に使い比べてみることをおすすめします。
(2015.04.24)
