【研究所コラム】知っておくと怖くない!暮らしの中の悪玉生物たち
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Vol.21 【6種類のヒラタキクイムシ】多い輸入家具からの発生
 
③ケブトヒラタキクイムシ

 今年の冬はまだ雪が降っておりませんが、温暖化の影響は思わぬところにも出ています。例年、4月末頃から寄せられる「家具から虫が出たので調べて欲しい」と家具メーカーや販売店からの検査依頼が、ここ3年の間、毎年10件を超えています。

 ここ数年、輸入家具から虫が発生する事例が確かに多くなっています。ヒラタキクイムシ科、ナガシンクイムシ科、カミキリムシ科に属する甲虫がほとんどですが、これら甲虫類は熱帯地域が原産で、原材料の乾燥材に産卵します。家具や建材の材内に閉じ込められた幼虫は少しずつ成長し、2〜5年(長い場合は10年以上)の歳月を経て、蛹化〜羽化して外部に出てきます。木屑が床に落ちることで気がつきますが、その時には既にいくつかの孔が開口しています。

 一般にも著名な①ヒラタキクイムシLyctus brunneusは、体長2.2〜8mmの茶褐色をした扁平長楕円形の甲虫。高度経済成長期に建設された住宅に多用されたラワン材とともに日本に侵入して、社会問題となったようです。この仲間は約70種が記録されていますが、②アラゲヒラタキクイムシ③ケブトヒラタキクイムシ④ケヤキヒラタキクイムシ⑤ナラヒラタキクイムシ⑥アフリカヒラタキクイムシなどが日本で見つかっています。
 

 家具から出た虫が他の家具や建材を二次的に加害することはなく、人体への影響も今のところ知られていませんが、温暖化に伴い、いろいろな種類の熱帯原産の昆虫が日本に進入する恐れがあります。


エフシージー総合研究所 環境科学研究室
 川上裕司

 
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