【研究所コラム】知っておくと怖くない!暮らしの中の悪玉生物たち
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Vol.20 【冬場でも刺す蚊】温暖化で懸念される分布拡大
 
チカイエカ Culex pipiens complex

 人の住環境を利用して生活する蚊の代表はイエカ属(Culex)です。中でもアカイエカ、ネッタイイエカ、チカイエカは亜種または型として扱われ、アカイエカ群(Culex pipiens complex)と呼ばれています。黄褐色の3亜種は外部形態がほとんど同じで、雄の外部生殖器の形態を比較しなければ区別できません。アカイエカは日本全国に、ネッタイイエカは奄美大島から沖縄にかけて分布します。また、チカイエカは高層ビルが立ち並ぶ全国の都市に点在しながら分布域を広げています。

 チカイエカは昭和18年に東京の古井戸から見つかりました。そして、他の2種とは異なる以下の3つの能力も持っていることが明らかにされました。①無吸血で産卵可能(無吸血でも1回目の産卵を行い、幼虫が孵化する)②狭所で交尾が可能(他の蚊のように広い空間で飛翔しながら交尾する必要がなく、試験管のように狭い空間で交尾できる)③非休眠性(低温に強く、秋になっても休眠せず、冬でも活動する)。
 

 家具から出た虫が他の家具や建材を二次的に加害することはなく、人体への影響も今のところ知られていませんが、温暖化に伴い、いろいろな種類の熱帯原産の昆虫が日本に進入する恐れがあります。

エフシージー総合研究所 環境科学研究室
 川上裕司

 
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