【研究所コラム】知っておくと怖くない!暮らしの中の悪玉生物たち
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Vol.19 【アスペルギルス バージカラー】変幻自在に色を変えるカビ
 
アスペルギルス バージカラーの菌糸と胞子

 これまで「黒カビ」「赤カビ」「青カビ」について解説しました。今回は、集落の色彩が変化するカビを紹介します。

 コウジカビ(Aspergillus)はアオカビ(Penicilluim)の仲間のように、集落の色が一定ではありません。黄緑色、緑色、濃緑色と緑色系だけでなく、黄色、白色、茶色の集落を作る仲間がたくさんいます。その中でも、同じ種でありながら、異なる集落の色を作るのがアスペルギルス バージカラー(Aspergillus versicolor)です。

 バージカラーの種名はvariable colorの意味で、多種多様の色調を呈することに由来します。集落の色は緑色、黄緑色、青緑色の緑色系から橙色や紅色まで様々で、緑色に白色、橙色、黄色が混ざって見える株もいます。これは、色素の産生能が高いことが原因で集落から出てくる侵出液は黄色、橙色、紅色、紫色などの色をしています。

 世界各地に分布し、比較的乾燥した環境を好みます。穀類や多くの加工食品から分離されていますが、殆どの株がステリグマトシスチンという発がん性のカビ毒を産生するので要注意。

少しでもカビの生えた食品は直ぐに廃棄!

 ハウスダストからも高頻度で分離され、繊維、紙、木材、皮革などの付着カビや、美術館の展示室や収蔵庫の浮遊カビを調べると、よく見つかります。言い換えれば、私たちの住む住環境やよく利用する公共施設にも普通にいる「ちょっと怖いカビ」です。

 少しでもカビの生えた食品は、すぐ廃棄するようにしましょう。

エフシージー総合研究所 環境科学研究室
 川上裕司

 
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