【研究所コラム】知っておくと怖くない!暮らしの中の悪玉生物たち
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Vol.12 【クロカビの正体】 「たちの悪い」仲間も 
 
クロカビの菌糸 家庭でよく見かけるカビは何ですか? との問いに対して、多くの方が「黒カビ」と答えるのではないでしょうか。事実、風呂場や洗面所で目立つカビは黒色をしています。ただ、この黒い色をしたカビはひとつの種類ではありません。カビの分類から言えば、「クロカビ」(学名はカタカナ表記)は、クラドスポリウム(Cladosporium)属のカビに対する呼称です。

 生活環境中に極めて普通に分布し、空気中に浮遊するカビ胞子の20〜50%をこのカビが占めています。穀類・果実・加工食品の汚染だけでなく、皮革・繊維・包装材なども汚染し、住宅の水回りには最も多く発生します。クラドスポリウムにはアルミニウム合金を腐食させる、たちの悪い仲間がいて、ジェット燃料の中で増殖して燃料タンクの底に穴を開けることもあります。

 黒色をしたカビで、一躍有名になったのが、洗濯槽の裏側で発生する黒色真菌の仲間です。分類学的には、エクソフィアラ(Exophiala)属とフィアロフォーラ(Phialophora)属のカビです。

 この他、粉状の飛散しやすい集落を作る「クロコウジカビ」(アスペルギルス ニガー Aspergillus niger)と粘性のある集落を作る「黒色酵母様菌」(オーレオバシジウム プルランス Aureobasidium pullulans)がいます。前者は繊維製品や壁紙で、後者は風呂場やシンクの排水口でよく発生します。
 黒カビとひと口に言ってもさまざま、湿気をためない工夫が発生防止の決め手です。

エフシージー総合研究所 環境科学研究室 川上裕司)
 
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