【研究所コラム】知っておくと怖くない!暮らしの中の悪玉生物たち
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Vol.9 【アレルギーとカビ】室内に浮遊するイヤなヤツ 
 
アスペルギルス フミガタス 文部科学省がまとめた「平成16年度学校保健統計調査」によると喘息の小、中、高校生の数が過去最多で小、中学生の罹患者は10年前の2倍になったといいます。実際に幼児から小学生の4人に1人が鼻炎などのアレルギー疾患を患っており、病院で原因を調べてもらうと多くがダニ、カビ、ハウスダストがアレルゲンであると診断されています。

 このような環境問題を背景に、「カビ(真菌)・細菌・ウイルスを完全除去できる」と謳う「空気清浄機」が登場。この空気清浄機の除菌性能を評価するため、筆者はここ数年、住宅の中に浮遊するカビの測定調査に取り組んできました。

 「アスペルギルス症」のうち最も重い疾患が気管支や肺のアスペルギルス症で、原因になる主なカビはアスペルギルス フミガタス(写真)です。一戸建て住宅と集合住宅の室内に浮遊するアスペルギルスの60〜80%をこのカビが占めています。また化学物質を使わない住宅では、さらにその割合が高く、約90%に達することが明らかになりました。

 アスペルギルス属のカビが環境中に広く存在することはよく知られていましたが、このカビがこれほど多く室内に浮遊していることは知られていません。このカビの集落が空気中に飛散しやすい粉状になることが原因だと考えていますが、このカビの浮遊数と住む人の健康との関係はいま研究中です。

エフシージー総合研究所 環境科学研究室 川上裕司)
 
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