【研究所コラム】知っておくと怖くない!暮らしの中の悪玉生物たち
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Vol.7 【乾燥に強いカビ】 加湿器の多用は要注意 
 
カワキコウジカビ 8月号の本コラムで、湿気の多い梅雨時に家庭でよく見かける黒カビの正体について書きました。「クロカビ」(クラドスポリウム)の仲間は、結露の多い住宅では屋外の乾燥する冬場であっても良く発生します。特に、高断熱高気密で室温が10度以下にならない住宅では年間を通して最も多いカビといえるでしょう。しかしながら、カビには相対湿度80%以上を好む好湿性の種類だけでなく、乾燥に強く相対湿度80%未満で良く繁殖する好乾性の種類もいます。

 アズキイロカビ(Wallemia sebi)はその名の通りアズキ色の小さな集落を作るカビで、多くのカビが生えにくい高糖濃度食品(羊羹・ジャム・甘納豆)や竹製品に発生します。カワキコウジカビ(写真)の仲間(Eurotium spp.)は革製品(靴やベルト)や繊維製品(敷物など)に良く発生します。また、コウジカビの仲間のアスペルギルスレストリクタス(A. restrictus)は乾燥性基質(レンズやフィルム)で発生します。そして、これら好乾性カビは少し乾燥したハウスダスト(フローリングで溜まる塵埃)から良く検出されます。

 冬場は乾燥するからカビは少なくなるかというと、一概にそうとは言えないのが現在の住宅事情。加湿器の多用により、室内がカビの好適湿度条件になっていることもあります。風邪ウイルスの感染を恐れるあまり、ひと晩中加湿器をつけて就寝する人が増えているようですが、要注意。

 家族がよく集まる居間と寝室に温湿度計を取り付けて、湿度が50〜70%になるよう換気を行うことが、風邪対策とアレルギー対策に有効な手段です。

エフシージー総合研究所 環境科学研究室 川上裕司)
 
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