【研究所コラム】知っておくと怖くない!暮らしの中の悪玉生物たち
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Vol.3 【タバコシバンムシ】有害な微生物を媒介?!
 
タバコシバンムシ 「タバコシバンムシ」という虫をご存知でしょうか? 体長は1・7〜3・1センチほど。赤褐色の甲虫で、戸建て、集合住宅を問わず生息しています。名前が示すように貯蔵葉タバコにつく害虫で、紙巻き、葉巻などの製品からも発生します。

 しかしながらこの虫にとって乾燥葉タバコが最適な食物というわけではありません。生薬の原材料、ドライフラワー、粉、麺類、菓子、香辛料、昆布などの乾燥植物質を広く食害するほか、鰹節や煮干しなど乾燥動物質からも発生します。そのため食品や製薬の製造工場は、この虫の商品混入事故を防ぐために、発生対策を日常的に行っています。

 筆者は、この虫の体表面と消化管から、カビ毒を産生するカビや抗生物質耐性細菌を見つけました。病原体の媒介者になる可能性があるといえます。
 12年前からこの虫の生態を研究しており、フェロモントラップ(誘引粘着捕獲器)を使った調査の結果、虫は住宅だけでなく学校、児童館、病院、劇場などからも見つかることが分かりました。

 5月から10月にかけて発生し、ピークは夏場の7、8月です。標高600mを超えると姿を消し、住宅密集地に多く生息しています。人間の住環境を上手に利用した典型的な都市型害虫といえるでしょう。
 一昔前はハエやゴキブリが衛生害虫の代表でした。しかし住環境が向上し、代わってその座についたのが、タバコシバンムシのような微小甲虫ではないかと考えます。

エフシージー総合研究所 環境科学研究室 川上裕司)
 
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