【研究所コラム】知っておくと怖くない!暮らしの中の悪玉生物たち
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Vol.2 【オクラセウス】がんの原因になることも
 
アスペルギルス・オクラセウス 真菌(特にカビ)によるヒトの疾病は、(1)カビ毒中毒症(カビがつくる有毒二次代謝物による)(2)真菌症(人体にカビが侵入)(3)アレルギー性疾患(カビがアレルゲンになる)-の3つに分けられます。

 アスペルギルス・オクラセウス(以下オクラセウス=写真)は、オクラトキシンAとペニシリン酸というカビ毒をつくります。オクラトキシンはオクラセウスの毒性代謝物として1965年に発見され、この中で最も強力な毒性をもつ代謝物がオクラトキシンAです。69年にトウモロコシの自然汚染が報告されて以来、汚染例が相次ぎ、世界的に重視されています。

 オクラトキシンAの毒性は70年代からの動物実験で腎毒性、催奇形性、免疫毒性、生殖毒性、神経毒性、発癌性、遺伝毒性などが報告されています。同実験結果から国際癌研究機関は、オクラトキシンAを「ヒトに対して発がん危険性の可能性がある」とするグループ2Bに分類しています。

 筆者は室内環境中からオクラトキシンAをつくり出すオクラセウス株を分離する研究を進めており、予想以上にこのカビが多いことが分かりました。
 オクラセウスをはじめとするアスペルギルス属(コウジカビ属)のカビは、乾燥したところでも生息し、30度を超す温度になると旺盛に繁殖します。日本での増加傾向は亜熱帯化が原因かもしれません。

 これからますます、室内環境のカビ対策が必要になってきます。台所の衛生管理が対策の基本で、野菜や果物はよく洗ったうえで冷蔵庫に保管すること。また少しでもカビが生えた食品は口にしないことが賢明です。

エフシージー総合研究所 環境科学研究室 川上裕司)
 
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