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商品検査あれこれ 第2回:空気清浄機の脱臭機能と性能試験

1.臭気成分(ニオイ)の原因は化学物質で粒子成分とガス成分がある
2.空気清浄機の脱臭フィルターは無数の穴に臭気成分を吸着させて脱臭する
3.購入時は脱臭試験の対象成分(ニオイ)を確認する


【空気清浄機の試験】

 当研究室は暮らしに関わる商品を対象に商品検査を行っています。特に通年を通して試験依頼をいただいているのは「空気清浄機」です。今回は空気清浄機の商品検査で行っている脱臭試験と購入時の脱臭機能のチェックポイントを取り上げます。
 空気清浄機の脱臭機能は、ファンにより吸引された空気を脱臭フィルターで脱臭する方法やイオンを発生させて脱臭効果を高めているハイブリッドタイプなどがあります。さて、空気清浄機は見えないニオイをどうやって無臭化しているのかご存じでしょうか。ここでは脱臭の仕組みについて国内で一般的に採用されているファン方式の空気清浄機を例にご説明します。


【空気清浄機の脱臭の仕組み】

 空気清浄機はファンにより吸引された空気がプレフィルター、集じんフィルター、脱臭フィルターの順に通過します。
 汚れ物質がこれらのフィルターに吸着することで浄化され、きれいな空気が排出されています。空気に含まれる汚れ物質の粒子サイズは約0.03~500mで、大きいものから順に取り除かれる仕組みです(詳しくはVOL.1を参照)。脱臭フィルターが最後に設置されているのはニオイの成分がとても小さな物質(約1m以下)であるからです。生活環境に潜む悪臭が目に見えないのも納得です。

図:汚れ物質が空気清浄機内のフィルターに吸着することで浄化されきれいな空気が排出されています

【空気清浄機の脱臭性能試験】

 脱臭フィルターには一般的に活性炭が用いられています。活性炭は表面に無数の穴があり様々なニオイ成分を吸着できることが特徴です。ただ、すべての穴にニオイ成分が吸着すると消臭機能はなくなりますので、メーカーの取扱説明書に指示された定期洗浄が大切です。空気清浄機の脱臭性能試験は業界規格である一般社団法人日本電機工業会(JEMA)の「家庭用空気清浄機」JEM1467脱臭性能試験があります。試験は1m3のガラス製又はアクリル製樹脂の密閉容器内でたばこ5本を燃焼させ、空気清浄機運転開始前と30分運転させた後の対象物質の濃度変化で除去率を算出します

図:汚れ物質が空気清浄機内のフィルターに吸着することで浄化されきれいな空気が排出されています

 対象物質はアンモニア、アセトアルデヒド、酢酸の3成分です。生活臭に例えると、アンモニアは「し尿のニオイ(例:トイレ臭、生ごみ臭)」、アセトアルデヒドは「刺激的臭(例;青臭いニオイ」、酢酸「酸っぱいニオイ(例:体臭)」です。たばこの煙には「し尿や生ごみ」などのニオイが含まれていることはご存知でしたか。生活環境はこの3成分の他にもたくさんあり、生臭いニオイは「メチルメルカプタン」「硫化メチル」、油っぽいニオイは「イソ吉草酸」、などがあり、ペット臭、生乾き臭、加齢臭など混合臭もあります。メーカーによってはJEM1467の対象3成分に加えて、自社の脱臭試験によりその他のニオイに対する脱臭性能を公表していることもあります。
 商品購入する際は、対象のニオイ成分を確認してみるのも良いと思います。
 弊社ではJEM1467に準拠した脱臭試験を実施しており、実績もございますのでお気軽にご相談ください。

 さて、空気清浄機を使用しても「たばこのニオイが取れない」という経験をされた方も多いと思います。次項では「たばこ臭」の謎について解説します。お楽しみに。

[参考文献]
一般社団法人日本電機工業会(JEMA)

(2020年5月21日)

生活科学研究室